2013/12/28

二つのシモバシラ


この冬一番の冷え込み。気象庁府中観測地点の最低気温はマイナス3.6度(06:59)。 であればと朝食前に野川公園へシモバシラ見物に出向いた。

左はおなじみの霜柱。昨日、一昨日の雨で土が湿っていたせいもあってか、珍しく背の高い(5〜10cm)氷柱が園内のあちこちで見られた。
そして、右はシソ科多年草のシモバシラの枯れた茎にできた”氷のシモバシラ”。比較的標高の高い高尾山のシモバシラは野草好き仲間ではよく知られているが、平地の野川公園や神代植物公園でも条件さえ揃えばこのように見られなくはないのだ。

快晴の朝日に照らされてどちらのシモバシラも後一時間もすれば姿を消しそうな様子だった。

2013/12/25

光学50倍の威力

アマゾンに注文してあったカメラが、2週間待たされてやっと配達されてきた。Canon PowerShot SX50 HS、光学50倍の超望遠ズームレンズ付きコンデジで価格は36,720円(税・送料込)。

諏訪湖の大鷲グル白樺峠のワシタカの渡り大門ダムのオシドリの群れ、そしてフクロウの巣立ちの一瞬をもう一段シャープなズームアップ画像で撮影したい。でも重いバズーカレンズを担ぐファイトはない、というのがこのカメラを選んだ理由。

試し撮りにと上空を通過する航空機を撮影してみたが、高度6000〜8000mを飛ぶ機影の航空会社マークまではっきり識別できる。確かにこれまでの光学18倍コンデジとは違いそうだ。

(左から、Polar貨物、JAL、大韓航空、ANA、東京消防庁“はくちょう"号。)

初めて手にしたコンパクト・デジタルカメラはソニーのMVC-FD7だった。10倍ズーム、オートフォーカス、3.5フロッピーディスクの記録媒体は、1997年当時としては“革新的”なスペックで、価格も8万円ほどとかなり高い買物だったように記憶している。以来、数機種のコンデジ歴を経て今回たどり着いたのがPowerShot SX50 HS。この15年間のコンデジの高性能化、多機能化、低価格化には驚くばかりだ。

それ以上に驚かされたのが「flightradar24」なるPCソフト。いま頭上を飛んでいる飛行機の正体を知りたいと手に入れたのだが、世界中の空を飛んでいる航空機情報がリアルタイムで入手できる。その上、機内から見える地上の3D風景まで描き出してくれて値段はたったの300円!

こんなことに驚くのは、我が身にもデジタルデバイド現象が起きつつあることの証なのかもしれない。そんなことを思いながら、ここ数日は暇さえあればiPadのディスプレイを眺めて、自分もその飛行機に乗って旅をしているかのような気分に浸っている。

2013/12/19

初めての雪景色

昨日の昼頃から降り始めた雪で今朝はすっかり雪景色。巣箱の屋根に積もった雪を測ってみると17cm。
チラチラと雪が舞う日はこれまで何度かあったが、こんな冬景色になったのはこの冬初めて。

2013/12/16

見慣れない光景2題

東京から八ヶ岳移動への途上で見た光景。これまで何百回と通っている道だがどちらとも初めて遭遇した。

中央道初狩Pから:
高川山山裾にある太平洋セメント甲州砕石場。初狩Pに停まると必ず目に入る景色だが、こんなにダストを舞い上げている光景に遭遇したのは初めてだ。ダストは山あいを笹子川の下流方向に向かって流れ、国道20号沿いの集落はあたかも朝靄に包まれているかのよう。(写真左)
ダスト発生を抑えようとしている作業現場の放水を見ていたら、突然3.11の原発への空中放水の光景が頭をよぎった。(写真右)

新府城跡近くの桃畑から:
上空をY20やY28の飛行ルートが走る八ヶ岳南麓では、飛行機の機影や飛行機雲を見るのはめずらしいことではない。でも、3機が、ほぼ同時に、それぞれ異なった方角へ飛行する光景は初めてだ。
 “もしやニアミス!”と一瞬思ったが、どの機影も淡々と飛行機雲雲をのばしながらそれぞれの方角へ飛び去って行った。ちなみに左右写真間の時間差は28秒。

見慣れた光景2題

東京〜八ヶ岳移動の途上で見た見慣れた光景。これまで何度も撮影した光景だが、ついまたシャッターを押したくなる。

中央道初狩Pから:
すぐ近くの岩殿山から撮影した富士山は五百円札の図柄になったそうだが、手前下の高架線を超電導リニアが走るようになると、ここから見た富士とリニアの姿もお札に登場する日が来るかも知れない。
新府城跡近くの桃畑から:
南麓から眺める正面顔とここから見る横顔は、同じ八ヶ岳とは思えないほどイメージが変わる。赤岳が八ヶ岳連峰で一番高い山だということもここから見て初めて実感できる。

留守をしている間に冠雪も随分裾野まで下りてきた。留守中の最低気温 マイナス6.8度(12/16 06:33)

2013/12/04

ドングリの発芽

庭のあちこちで、コナラのドングリが発芽しようと顔を真っ赤にして頑張っている。今発芽しても間もなく訪れる厳しい冬を越せる実生はほとんどないのだが . . . 。

2013/12/03

ツルウメモドキ

キノコやオシドリに気を取られているうちに、ツルウメモドキの収穫シーズンはすっかり終わっていた。

2013/12/01

ミツバチの会議

Honeybee Democracy」の日本語訳「ミツバチの会議」が出版された。「ミツバチの知恵」に続くトーマス・D・シーリー教授の著作。

分蜂時、ミツバチ達は . . .
  • 手分けして新居探しに奔走し、
  • 見つかった複数の候補物件を比較検討し、
  • 公平な討議と検証を重ねながら物件をしだいに絞り込み、
  • 最終的に最適結論を導き出す。
この分蜂過程で、どのような作業・行動をとり、仲間内でどのように討議・合議を行って新居の決定に至るのか?

数千匹の働きバチに背番号を付け、蜂球のダンスを観察する人、待ち箱に訪れる探索蜂を記録する人、飛翔する分蜂群をレーダーを担いで追いかける人、. . .  と、多くの学生を動員して実験は繰り返されたようだ。

下写真が実験が行われた米国メイン州アップルドア島。強風が吹きすさび、灌木しか生えない洋上の孤島では、ミツバチ達は実験用に設置された待ち箱を選ぶしかない、というのがこの場所が選ばれた理由らしい。

毎年数多くの分蜂を見てはきたが、その分蜂活動の最中にミツバチ達がこんなに慎重な評価と討議を重ねた上で転居先を決めていたとは思いもしなかった。

2013/11/24

甲斐駒に似合う樹

白い雪と赤い柿が晩秋の甲斐駒撮影の定石だったが、今年は場所を変え、樹種を変えて撮影してみた。


風切松:
集落の西側にそって防塁のように続く丘陵地に生えている赤松巨木の並木。北西から吹き込む八ヶ岳下ろしの寒風から、何百年に渡って集落や里山を守ってきた清里樫山地区の防風林。

甲州丸:
里の集落でよく見かける甲州丸。"干し柿は甲州丸が一番"と自分は思うのだが、最近産直市場や道の駅で売られている渋柿は甲州丸より百匁柿が多くなってきたような気がする。




生きた化石:
大門ダム(高根町長澤)のメタセコイア。三木茂博士が化石を発見した時は絶滅種と考えられていたが、その後中国の山奥で現存することが確認されたというのはよく知られた話。
日本で最初の一本が皇居吹上御殿に植えられたのが1949年。メタセコイア植樹の一大ブームが全国的に起きたが、あまりに高木になることが災いし、その後街中の多くの樹は伐採されてしまったのだそうだ。

2013/11/23

イケメン羊

羊の顔にそっくりなオニグルミの葉痕。こんなに端正な顔をしているのはめずらしい。

2013/11/22

伝統養蜂

丸太式巣箱が茅葺き屋根によく似合っていた。樫山村(現 北杜市高根町清里)の農家の軒先でみかけたミツバチの巣箱。

寒風を遮る屋敷林、前面に広がる草地、背後には広葉樹の雑木林、遠方には頂を雪に覆われた八ヶ岳、. . . 。うらやましいような里山の蜂飼い生活。

村はずれの土手に置かれた待ち箱にも、樫山村の長い歴史を感じさせる風格があった。

オシドリラッシュ

今日の清里湖(大門ダム)はオシドリラッシュ。一望できる対岸線約300mの範囲内でカウントできたのは248羽。オシドリ達は崖から転がり落ちてくるドングリを拾う風でもなく、ただノンビリと湖岸近くの水上で、あるいは岸に上がってくつろいでいる。こちらもセブン-イレブンのおにぎりを頬張りながらユッタリとオシドリウォッチング。


2013/11/19

フクロウ巣箱の点検清掃


八ヶ岳自然クラブのフクロウ巣箱点検清掃作業2日目。

朝、山荘を出る時に舞っていた雪もほどなく止み、後半は秋晴れの青空に変わったので助かった。軽労働とはいえ、雪がチラついたり、寒風が吹すさぶ中での作業は結構辛い。
だったらもっと早く暖かい時期に済ませてしまえば、という声も聞こえてきそうだがそうもいかない理由があるのだ。

フクロウが営巣しなかった空巣箱には、フクロウに代わってスズメバチがよく棲みついて巣をかける。そんなスズメバチがいなくなってからでないと作業はできない。今回も、標高1000m以上の場所の巣箱ではスズメバチの姿はなかったが、標高600mの低地の巣箱ではまだ活発で作業を延期せざるを得なかった。

またあまり早い時期に清掃をすると、フクロウ夫婦が訪れる前に他の小動物が入り込み巣箱を汚してしまう。去年の点検で見つかったタヌキの頭があるような巣箱では、せっかく下見に来てくれたフクロウ夫婦が住みついてくれるはずはない。だから掃除をするのは来客が見える直前が好ましい。

そんな両方の事情を睨みながら判断すると、空模様によっては、雪がチラつき、風が吹くと寒さで手がかじかむような時期が八ヶ岳南麓での最適な作業タイミングになる。12月に入ると、気の早いフクロウ夫婦の展示場廻りが始まる。

2013/11/13

清里湖のオシドリ


この冬一番の冷え込み。最低気温マイナス1.6度(06:23)。

この寒さの中で清里湖(大門ダム)のオシドリ達はどうしているのだろうかと様子を見に行くと、冷たそうな水の中で50〜60羽が元気に泳ぎまわっていた。

警戒心の強いオシドリはかなりの距離をおいてしか撮影させてくれない。今使っているコンデジでは、画素数を3Mまで落し、倍率をデジタルズームも使ってマックスのX35.2にして撮影したのが上写真。(撮影距離=Mapion距離測で約200m)

ワシタカ撮影の白樺峠以来ワンランク上のカメラを探してはいるのだが、あまりに候補機種が多すぎて、なかなか購入機種を絞り込めない。オシドリ達が姿を消す前までにはなんとか手に入れたいのだが。

静かさや  をしの来て居る  山の池(正岡子規)

2013/11/12

アキ子? それともカン子?


春子ほど肉感的ではないが、原木栽培のホダ木に次々と椎茸が生えてくる。
秋子は香り高く、寒子には寒さに耐えた味わい深さがあるそうだ。(森林・林業データーベース)

昨夜の最低気温はマイナス1.5度。今日は正午になってもまだ4度までにしか上がってこない。
こんな寒さの中で育っているのだから寒子ではとも思ったが、暦の上ではやっと立冬が過ぎたばかり。寒の入りまでにはまだ間があるので多分秋子と呼ぶのが正しいのだろう。

秋子は乾燥椎茸に向いているそうだ。であればと、正月の煮しめ用の干し椎茸作りを思い立った。
  • 石突は切るべきか?茎は?
  • 最初は傘を上向きにして干すのが正しい?それともヒダが上?
  • 乾燥は丸ごとで、それとも料理サイズに切ってから?
. . 次々と疑問が生じるが残念ながらデーター・ベースには乾燥方法までは書かれていない。とりあえず石突付き、ヒダ上、丸ごとで竹かごに並べた。冷気、陽光、微風。今日は絶好の干し椎茸日和だ。

追記 (2013/11/13): 夜のTVニュースで「能登半島の氷見漁港で“寒ブリ”の初水揚げが . . . 」と言っていた。であればこの時期の「寒子」もあり?

2013/11/08

最後のハナイグチ


すぐ近くの雑木林で見つけたハナイグチ(花猪口)、多分この秋最後の収穫だろう。傘の粘液にピッタリと張り付いたカラマツの落葉を取り除くのは手間だが、気温が下がるこの時期になると虫喰いが少ないのでいい。

湿地茸つむりに赤い松葉のせ  (浜口高子)

2013/11/06

ムラサキシメジ



雑木林の林縁で枯葉を持ち上げて頭を出していた最高に食べごろのムラサキシメジ。その紫色がなんとも高貴で美しい。このムラサキシメジが目につくようになると、わが家のキノコシーズンも終わりになる。

2013/11/01

ミード(蜂蜜酒)の味は?


欧米でのミードブームを受け、日本でも国産ミードの製造が始まり、ミード専門店もオープンするようになった。かっての日本の“手前味噌”や“ドブロク”のように、ミード文化の真髄は自家醸造・自家消費にあるようだ。そこで、この秋は山葡萄ワインに続いてミード造りも体験してみることにした。

Amazonから取り寄せたミード造りの手引書 “The Compleat Meadmaker” には、ハーブ、スパイス、果実などを加えた様々なミードの作り方が解説されているが、初体験の今回は、蜂蜜200gを500gの水で薄め2gの白ワイン用イーストを加えただけのごくシンプルなレシピにした。

ミードの味はハチミツの品質に大きく依存するらしい。2012年と2013年採蜜の味の異なる二種類のハチミツをベースに仕込んだ。発酵ボトルは、わが家の定番果実酒瓶、スウェーデンAbsolut Vodka瓶。

 発酵の勢いはヤマブドウよりはるかに活発。仕込み1時間後には小さな泡がプツプツと液面ではじけ始め、3時間もするとその泡が液面全体を覆った。ほどなく泡は大粒に変わりブクブクと瓶の中で踊りだした。

+ + + + +

一週間発酵を続けたミードは透明感が増し琥珀色の美しい色合いになってきた。ただ、味に馴れていないせいもあってかあまり美味しいとは感じない。これから山荘を訪れる客人に供して率直な意見を聞いてみよう。市販のミードとの味の比較もしてみたい。

2013/10/26

漬物の季節

Jマート長坂店の入口に山のように並ぶ漬物容器。八ヶ岳南麓に冬が近いことを報せる晩秋の風物誌だ。

それに触発されたせいか、最近はこまめに漬物を作るようになった。数十リットルの漬物容器を使う地元の農家の人から見れば、卓上容器での漬物などはママゴト遊びと笑われそうだが、それでもやっている本人は結構真剣なのだ。

一番頻繁に作るのが浅漬け。(丸容器)
鍋料理などで食べきれなかった野菜を適当にきざみ、上からエバラの浅漬の素を振りかけるだけだから素人の自分でもそれなりの味のものができる。その上、買過ぎた生野菜を腐らせることがほとんどなくなったのも大いに助かる。

今回は、一週間後にみえる客人と飲む酒のさかな用にと大根、ニンジン、キュウリなどを漬けてみた。(角容器)
レシピは以前地元の蜂友HW氏に教わった地元婦人会創作の「野沢菜の変わり漬け」を転用。ビミサンとラッキョウ酢を等分に合わせ、それに赤唐辛子を加える。独自な工夫として生姜の薄切りと乾燥山椒果皮も加えたが、後から考えるとどちらか一方だけにした方が良かったのかも知れない。

ちなみにビミサンは山梨県下では超有名なダシつゆ。甲府の老舗醸造会社テンヨ武田の製品。ナショナルブランド製品とは一味違う味で県外にも結構ファンが多いらしい。毎年ミツバチの分蜂見学に見える鹿児島在住のIZ氏夫妻も、毎回ダース単位のビミサンを車のトランクに積んで九州へ帰る。IZ夫人の造るビミサン漬けが近所ですっかり評判になり、年々漬ける量を増やさなければならなくなったのだそうだ。

2013/10/25

ミード(蜂蜜酒)ブーム

ここ数年、欧米で自家製ミード(蜂蜜酒)が静かなブームらしい。

ミードは人類が最初に知った醸造酒で、古代〜中世には「Nectar of the Gods(神々の甘露)」と呼ばれた高貴な飲料だったそうだ。

砂糖や葡萄ワインがより手軽な食材になるにつれミードの影はじょじょに薄れてしまったが、葡萄栽培に向かない北欧や東欧の寒い地に住むゲルマン人やスラブ系民族の間で、あるいは教会の儀式用などに、ミード自家醸造の文化は引き継がれてきたのだという。

ところがそのミードに突然リバイバルが起きた。「エリザベス」、「恋におちたシェイクスピア」、「ロード・オブ・リング」などの映画で、たて続けにミードを飲む場面が演じられたのがその引き金になった、と解説するむきもある。もちろん、オーガニックフードやスローフードなどへの関心の高まりがその下地としてあってのことだろう。

いまではエリザベス一世がミード愛飲家であったことも広く知られるようになり、ローズマリー、タイムなどのハーブで香りづけした“女王陛下のレシピ”は、そんなミード愛好家達の間で人気のレシピになっている。

ミードには媚薬や強壮剤としての効能があると信じられ、新郎新婦は結婚直後の一ヶ月間、自宅にこもってミードを飲んで子作りに励んだのがハネムーン(honey moon)という言葉の由来と言われいる。ロシアのサロン画家、Konstantin Makovskyの作品「Cup of honey drink (mead)」にはそんな初々しい新婦の姿が描かれている。
(写真はWikipediaから借用)

2013/10/24

サクラソウの目

一昨日読んだ「動物を守りたい君へ」の中に、鷲谷いづみ氏のサクラソウの研究に関する記述があった。

その内容が、先日、都立農業高校の公開講座で聞いたカタクリの結実率低下問題と酷似していることに興味を感じ、再び岩波ジュニア新書の中で見つけた鷲谷いづみ著「さとやま――生物多様性と生態系模様  」をアマゾン経由で購入した。

「さとやま」に書かれているサクラソウに関する話を要約すると;
  • サクラソウの大きな群落ではたくさんの種子ができるのに、孤立している小さな群落では花は咲いても種子ができない。だからその群落はいつの間にか消えてしまう。

  • 原因は、サクラソウの花粉交配を行なっているマルハナバチが小さな群落には訪れないから。

  • マルハナバチにとっては、春先に花が咲くサクラソウだけでは不満。春〜秋の間、次々と花が咲いて食糧を供給してくれる植物が周りにないと住みづらい。

  • また、マルハナバチは野ネズミが造った地中の穴に巣を作る。だから、近くに野ネズミが住めるような雑木林があって欲しい。
つまりサクラソウは . . .

  ①栄養と水分を与えてくれる湿地
  ②花粉交配役のマルハナバチ
  ③マルハナバチんお食料になる四季折々に咲く草花
  ④マルハナバチの棲家になる野ねずみの巣穴
  ⑤野ネズミに餌を供給する雑木林

. . . の全てが揃って初めて群落を維持できる。パッチワークのような自然界のつながりが興味深い。
鷲谷氏の研究内容をもう少し詳しく知りたいと注文した「さとやま」だったが、少々内容への期待違いがあった。同氏の別著、「サクラソウの目」か「サクラソウの分子遺伝生態学」の方が今回の目的にはより適当だったようだ。

注文したら翌日には配送されてくるネットショップは実に便利だが、時には今回のような勘違いも起きる。だから時には本屋を歩きまわったり、図書館をのぞいてみることも必要ということだ。

蛇足:
「さとやま」は、
今回の購入目的から少々ずれてはいたとはいえ、この本自体は実に面白く、決して無駄な買い物になったわけではない。

2013/10/23

(続々) 山葡萄ワイン 2013

. . . 「続 山葡萄ワイン 2013」からの続き

10月9日
第一回目濾過。晒布袋で果汁と種・皮を分離。重量は5.7kg(液+果皮・種)から3.4kg(液のみ)に減少。
同時に比重計測を行ったが今ひとつ計測値の読み方や、その意味するところが不明。マニュアルを再読する必要性を痛感。
(除去した種•皮は1.8Lのホワイトリカーに漬けに。)



10月10日
発酵が止まったので砂糖(300g)を追加。数時間後には液面に細かい泡が発生。エアーロックを通過するガスも盛ん。

10月23日
2回目の濾過。同時に果実酒瓶から1ガロンデミジョンに容器を移し替えた。

数日前から液面の泡の発生が消え、エアーロックを通過する炭酸ガスの動きも非常に遅くなっていたので試飲してみるとほとんど甘みがない。氷砂糖100gの発酵用糖質を追加。

外気温が15度を切る日が多くなったので、常時スイッチオンにしてある寝室のパネルヒーターの近くに置いて保温することにした。(上写真。直近室温19〜21度)

(ホワイトリカーに漬けていた種•果皮を晒布で搾り、液部分に氷砂糖(100g)を加えた果実酒に。)

2013/10/22

岩波ジュニア新書

若い世代の良き話し相手として、このシリーズを注目してください。わたしたちもまた、きみたちの明日に刮目しています。 . . . ("岩波ジュニア新書の発足に際して"より)

35年前、中学生、高校生を主な読者対象として創刊された岩波ジュニア新書。一流の執筆者が、その時代のホットな問題を取り上げて、難しいテーマを平易な語り口で解説してくれる。"古い世代"もおおいに気に入って愛読しているシリーズ図書の一つだ。

その岩波ジュニア新書の最新刊が、10月18日に発刊された「動物を守りたい君へ」。

「本当に動物のためになることってなんだろう?」. . . 帯に書かれたやや挑発的なコピーが暗示しているように、"動物を守りたい"ので獣医を目指す中学生や高校生へのメッセージの形をとりながら、実は、短絡的な動物愛護精神や、近視眼的な環境保護の問題対処活動に対する大人への辛辣な批判とも受け止めた。

著者は麻布大学の高槻成紀教授。八ヶ岳自然クラブのフクロウグループが、巣箱から回収した巣材や遺留物を提供している先生で、研究室の学生を連れて八ヶ岳南麓へも何度か現地調査に見えている。

というわけで、「フクロウと森林伐採」の章では八ヶ岳南麓のフクロウについても数ページを割き、我々フクロウグループの活動にも触れていただいている。

2013/10/21

木の実が豊作

確たるデーターがあってのことではないが、今年の秋は色々な木の実が豊作のように感じる。

落下したキープ協会のアオナシの果実。


山荘庭の栗とコナラのドングリ。

2013/10/19

都立農業高校公開講座


都立農業高校の公開講座の初日。教場は同校の神代農場。自宅から徒歩で25分、その大半が散策に快適な「深大寺通り」。午前中だけの講座が終わった後は深大寺蕎麦の昼食をとり、その後は深大寺神代植物公園周辺を散策できる、と通学コースとしては申し分ない。

国分寺崖線の谷頭に位置する神代農場は、敷地内に“ハケ”の湧水が流れる低地湿地帯と、それを取り囲むように連なる雑木林や竹林の傾斜地や台地。そんな変化に富んだ自然環境を利用して、水稲耕作、ワサビ栽培、ニジマス養殖、椎茸・タケノコ育成、. . . などの農業実習が行われている。
(下写真は京王線沿線を案内する街はぴから拝借した農場敷地内風景。)

神代農場はカタクリの群生地として近隣住民には良く知られている場所でカタクリシーズンの農場開放日には」多くの見学者が訪れる。

公開講座は、竹炭作製、竹籠製作、ニジマス燻製、...など作業中心のカリキュラムだが今日は3時間の座学。講義名称は「武蔵野の自然の成り立ちと生物多様性」。

“常緑広葉樹林帯の武蔵野になぜカタクリが生き残ったのか?”
その謎解きを、武蔵野の植生やそこに住む人々の生活を、近世→中世→古代→弥生→縄文→後期旧石器(=最終氷期)と逆上って解説していく小川先生の講義は、さながら実験刑事トトリ風の推論の展開が面白く、3時間の授業はあっという間に終わってしまった。

そして今日の講義ではカタクリに関する気になる話も。農場敷地内のカタクリの結実率(種子を作る株 v.s. 開花する株)が異常に低いのだそうだ。

その原因が「自家不和合性」の現象なのか?あるいは「ポリネーター減少」に起因するものなのか?これまでの実験や観察からは、ポリネーター要因への疑念が高まりつつあるとのことだ。

もしそうであるなら、神代農場のカタクリ問題は、八ヶ岳南麓のミツバチ自然巣分蜂群捕獲数急減問題に繋がってくる。さらには、近年注目を集めるようになってきた"自然界のポリネーター不足による環境・農業問題"と同根の現象と言えそうだ。

(カタクリの写真は、神代農場でなく、近くの神代植物公園で今年春に撮影したもの。このカタクリは自生ではなく、背後のニリンソウとともに人工的に移植されたものと思う。訪花しているのはセイヨウミツバチのようだ。)

2013/10/12

長野県富士見高等学校学園祭


長野県富士見高等学校の“しらかば祭”へ。

同校園芸科はここ数年実に意気盛んだ。特に、農業クラブ大会での活躍には目を見張るものがある。

“農業系高校生の甲子園”とも呼ばれる「日本農業クラブ大会」。その全国大会に出場できるのは、県大会、ブロック大会と二つの予備選で最優秀賞を獲得して初めて可能になる狭き門。その最初の関門である長野県大会で、今年富士見高校園芸科は、8部門中5部門で最優秀賞を、3部門で優秀賞を受賞するという快挙を成し遂げた。

そして、北信越ブロック代表としてバイテク部、養蜂部、平板測量競技、農業情報処理競技と4つの部門で全国大会出場を実現したのは実に立派。そんな同校園芸科の活気は、3年連続全国大会出場、そして昨年は全国大会で最優秀賞と文部大臣賞という同校養蜂部の華々しい活躍が引き金になった、と自分は勝手に推測しているのだが(?)

学園祭で見たいものは他にもあった。

一つは、今年の春に蒔種したビー・ガーデンの赤ソバ
既に流蜜時期を過ぎたのかミツバチの姿は見かけなかったが、ハーブ中心だったビーガーデンに赤ソバが加わったことで、花畑に“ニホンミツバチらしさ”が濃くなった感じがする。
そしてもう一つは養蜂部の皆さんの顔。
1月の盗難事件に続いて、この8月に二度目のミツバチ巣箱の盗難にあったことを新聞のニュースで知った。ミツバチを飼育していて、「逃去」や「群の消滅」は頻繁に遭遇すること。でも人間に盗まれて群を失った時の痛手はそれ以上に深く複雑だ。
相当落ち込んでいるのではと心配しながらの訪問だったが、養蜂部の若者たちは以前と変わらないいい笑顔をしていた。それにしても、高校生達のミツバチを盗むドロボーには腹が立つ。

2013/10/10

石空渓谷の野外教室


先日の北八ヶ岳亀甲湖での戸外授業に続くフォッサマグナ授業の第二弾。青空教室は、石空(いしうとろ)大断層露頭の眼前の河原で開かれた。フォッサマグナの授業にはこれ以上の場所はないだろう。


実はこの場所、以前単独で見学に来たことがある。その時、説明掲示板を読んでも一向に断層の見分けがつかず、意気阻喪した記憶がある。
でも今日の講義で、「案内板を立てた時にはもっとはっきり地層が見えていたのでしょう。でもその後の崩落で残念ながら当時ほど明確ではありません。私も最初ここに立った時にはとまどいました。」という講師の話を聞いて少しは安堵したのも今日の講義の収獲の一つ。
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2011年の台風の大雨で落下した一の滝と二の滝の間の架け橋。以来、石空渓谷の精進ヶ滝トレッキングコースは通行止めになっていたが橋も新しく架け替えられ、コースもこの六月一日から全面開通した。
まだ紅葉には早かったが清流に沿っての小ハイキングは爽快。