2010/12/07

続々_「海の男の艦隊料理」

今回の古本探しはかなり苦戦しそうだと、無駄足覚悟で出かけた神田神保町。予想に反し、初日11軒目の店で難なく見つかった。

表紙が少々日焼けはしているがコンディションは悪くない。裏表紙を開いてみると、1983年5月発行の初版本(定価980円)。ネットショップで10,290円の本が1,000円ポッキリ!たまにはこんなこともあるから、古本屋歩きはエキサイティングなのだ。

期待に違わず超初心者料理人の自分にはピッタリの教本。例えば次の「ゆで卵」に関する記述を読んだだけでも、それがいかに懇切丁寧であるかが分かる。
熱湯に入れてから壊れないようにするため、初め卵を微温湯に入れ殻を温め、 次に鍋に湯を沸騰させた中に注意して入れ、再び沸騰したとき火からおろしフタをして約五分ぐらいして取り出すと最もよい半熟となる。半熟卵は皿に盛って塩を添えて供卓する。
なお沸騰したいときはそのまま五、六分間煮沸すると完全に茹で終わる。全熟卵は料理の材料あるいは旅行に際し携帯用に用いるものであって水に浸して皮を去る。
煮〆、天婦羅、和え物などはもちろん、乾燥野菜を使っての漬物作り、イタリア風精進揚げ、など、海軍料理200余種の調理法が事細かに記載されている。乾燥野菜の内容も期待どおりだ。

復刻版を監修したイラストレーター高橋孟氏は、戦時中、戦艦霧島などの烹炊兵だったらしい。復刻版の上部余白に付け加えられた氏の挿絵(写真)とショートストリーもなかなか楽しい。

蛇足:
「海の男の艦隊料理」はノーベル書房発行の単行本と新潮社の文庫本があるがお薦めは単行本の方。文庫本では
材料の分量などが省かれており料理教本としは用を足さない。