2010/01/30

CCD減少


“CCD(蜂群崩壊症候群)大幅に減少” のニュース。

1/5に発行されたレポート、The Journal of Apicultural Research Special Issue)の内容を紹介したもの。

2008-2009年の冬、米国で消失した蜂群は飼育総数の26%で、前年度の38%から大幅に減少したという。その中でも、CCD(≒死骸のない消滅)を主因とするものはそれ以上の大幅減らしい。

理由は明らかではないが、CCD騒動で養蜂家が冬季間の飼育管理に一層慎重になったのもその一因、との推測もあるようだ。(San Francisco Chronicle)
とはいえ、プロの養蜂家の間では、越冬期間中のミツバチ消失の“正常”なレベルは18%前後と考えられているらしいので、26%というのがまだ高い数字であることには変わりない。

ともあれこの好転が一時的現象なのか、あるいは流れが変ったのか?例年以上に厳しい気候と言われている米国でのこの冬の結果が注目される。

(注) 写真はBee Keeper Newsから拝借したもの。

2010/01/28


朝、眼を覚ますと外はうっすらと雪景色。明け方から降り始めたようだ。まだ、ハラハラと降り続いているので今日は積もるかもしれない。

気象庁大泉のデーターでは、昨日の朝6:00の気温はマイナス6.6、今朝の同時刻はプラス1.4度。8度もの温度差がある。山荘付近の外気温はマイナス1度(08:00)。

追記:(11:00)
気温が高いせいか雪は雨に変った。

2010/01/26

赤松の剪定


快晴。数年間放ったらかしていた庭の赤松の手入れ。混み過ぎた枝を間引き、枯れ葉を落とす作業。

随分前の話になるが足立美術館で、 植木職人が一枝ごとに梯子をかけ、松葉を数本づつ手で抜いているのを見て驚いた記憶がある。込みすぎた松葉が借景を遮ってしまわないよう “透かし”を作るためとのことだった。

「庭師の勘どころ」(講談社)によると、松の手入れは、小枝すかし、新芽(みどり)摘み、古葉むしり、幹の掃除、. . . と、実に様々な作業があるようだ。

同書では、「よく手入れされたマツは、本当にほれぼれする美しさだ。とりわけアカマツの手入れのいいのを見ると、うっとりする。」とある。
”うっとり”にはほど遠いが、少なくとも久しぶりの散髪の後のようにサッパリはした。

2010/01/25

今日の野鳥フィーダー


いくら3.52リッターの大型といえ、4週間の留守ではもたない。山荘に帰った時フィーダーは空っぽ。直ぐにヒマワリの種で満杯にしたが、昨日の午前中野鳥の姿は全くなし。午後からポツリポツリと集まり始め、今朝からやっと以前の賑やかな光景に戻った。

顔を出した鳥 . . . アトリ、シメ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、カワラヒワ、コガラ。アカゲラは、フィーダーまでは来ないが庭の赤松で盛んに皮を剥ぎ飛ばしている。

 + + + + +

夕方5時前から雪がチラホラと舞いだした。

2010/01/24

死滅蜂群の状態


今日死滅を確認した蜂群の状態の記録:
  • 貯蜜はかなり残っている。まだ蓋掛されていない貯蜜も散見。①
  • 花粉団子の貯蔵はほとんどなし。
  • 巣房に幼虫、繭の死骸は見当たらない。
  • 巣板下に200〜300匹くらいの死骸。
  • 巣房に首を突っ込んだ死骸60〜80匹。②
  • 死骸の体長13mm前後で正常。
  • 女王蜂の死骸見当たらず。(100%確実ではない。)
  • 巣箱外の地上には死骸なし。(風で吹き飛ばされた可能性もある。)
  • 一度は冬ごもり体制に入ったことは伺わせる巣板下部に冬ごもり洞窟。③
  • 洞窟の直径6cm。比較データーがなくこれが小群を示すものかどうかは不明。
  • 巣箱底の巣屑は冬ごもり洞窟を作った時のもの?
  • スムシなど、外敵の侵入痕跡は全く無し。
 + + + + +

冬に入る前のコロニーが小さ過ぎた?
防寒対策の不備?
12/20 の現象とも何らかの関係があるのか?
(米国のCCD Symptoms定義とは異なる兆候。)

NOT TO BE.


無風快晴。気温も上がってきたので内検。

そして答えは . . . NOT to be

    2010/01/23

    To be, or not to be?


    久しぶりの山荘。到着時(17:00)の外気温0度、室内温度6度。

    雪はほとんど無い。隣家Y氏によると一度は積もったらしいが、数日前の大雨で全部融けたらしい。

    ミツバチ巣箱の巣門に気配なし。時刻が遅いせい?それとも?

    2010/01/22

    東京のミツバチ


    昨日散歩した武蔵野公園。ロウバイは既に盛りを過ぎ、花を開き始めた梅の木もかなり目につく。

    サザンカの花でセッセと蜜や花粉を集める数匹のミツバチを見つけた。氷点下近い気温の中で必死に寒さを凌いでいる八ヶ岳のミツバチ達。一方、蜜や花粉集めに出歩るける東京のミツバチ達。かなりの生活格差がある。

    2010/01/21

    春の気配


    万歩計のカウント数を稼ごうと徒歩で運転免許証の更新手続へ。

    途上の野川沿いには、盛んに水面に急降下し魚を狙うカワセミの姿。

    土手に上がってひなたぼっこをしながらうたた寝中の鴨の群れも。

    気象庁府中測候所が記録した今日の最高気温は18.4度。4月中旬の暖かさだったらしい。

    今日の歩数は15,044歩、歩行距離12.03キロ。かなり好成績の一日。

    2010/01/20

    持続可能な養蜂 (Sustainable Beekeeping)


    「Sustainable beekeeping」(=持続可能な養蜂)。   . . . なんとなく分かったようで、実は良く分からない言葉。

    インターネット上には、類似のコンセプトを提唱するサイトが数多くあり、その呼称も多種多様だ。
    • 自然養蜂 (Natural beekeeping)
    • エコロジカル養蜂(Echological beekeeping )
    • バイオダイナミック養蜂(Biodynamic beekeeping )
    • 有機養蜂(Organic-beekeeping )
    • シンプル養蜂(Simple-beekeeping )
    • . . .
    先の玉川大学主催のミツバチ研究会での英国 Nichola Bradbear博士の講演や、氏が運営するBees for Developmentのホームページから推察すると . . .
    - 生物多様性でのミツバチの位置づけ
    - 飼育巣箱の周辺自然環境の保護
    - 遺伝子的成長への人為の排除
    - これらの全てかかわる行政、住民、養蜂家
    . . . のあり方と、かなり広い概念であることが分かる。

    でも、具体的に、巣箱、 給餌、採蜜方法、日常管理など、具体的な養蜂手法となると曖昧模糊だ。

    ただ、ミツバチ飼育法に関しては、「人間のチョッカイは最小限にし、できるだけミツバチ自身の意思にまかせる」というのは共通するコンセプトのようだ。

    また、WEB上の英語サイトで使用する呼称が、 "organic", "natural", "sustainable"の3つに収斂されつつあることも分かった。数年後には養蜂スタイルも含めもっと明確なSustainable Beekeepingの姿が見えてくるのかもしれない。

    注記:
    表示グラフは、そのコンセプトがsustainable beekeepingに類似したサイト数を、使用している用語別に比較したもの。検索時のキーワードは、 " xxxx "とダブルクォーテーションで囲み、連続語で表記された語句を含んでいるサイトだけをピックアップした。

    2010/01/18

    懲りない面々

    数日前に手に入れた尋常小学校の理科の教科書(小學理科新書、明治25年発行)。「マツタケ(松茸)  シイタケ(椎茸)」の章を読んで思わず苦笑した。
    「キノコ(茸)ニハ、. . . 其種類甚ダ多ク、其形モ様々ナリ。. . . 明ニ知ルモノニアラザレバ、食フベカラズ。」
    明治の時代から(そして多分そのずっと以前から)、全く同じ警告が繰返し繰返し言われ続けてきているがいまだ守られていない。

    2010/01/17

    あれからもう15年


    第3日曜日の今日は高幡不動尊金剛寺の“ござれ市”開催日 。

    境内には中米ハイチ地震への救援金を募る若い僧侶の姿が。

    4日前に起きたハイチ地震は、まだその全容が把握できない状況だが、死者の数が20万人までに増えるのでは、との報道もある。

    そして15年前の今日は阪神・淡路大地震が起きた日。あの時も、日に日に大きくなっていく被害報道に驚かされたのを思い出す

    “M7クラスの首都直下型地震が30年以内に起きる確立は70%” と言われても、どこかでは自分とは無縁のものと考えている。被害者のほとんどが、被害を受ける直前まではそうだったらしい。

    2010/01/16

    明治大正の蜜蜂


    “せたがやボロ市”で見つけた古い教科書二冊。一冊は、明治26年発行の「小學理科新書」。もう一冊は、大正11年発行の「女子動物學新教科書」。
    どちらにもミツバチに関する記述があるのが気にいり躊躇なく買った。

    挿絵も含め、行間からいろいろな推測が膨らんくるのが楽しい。特にオスバチの説明が面白い。

    小學理科新書では、オスバチを「守蜂」と呼んでいる。
    巣門付近にたむろしているオスバチを見て、巣を警護している姿と誤解した? . . . それとも、 
    子孫繁栄の要として群を守っているのは当然オス、という社会的価値観の反映なのか?
    女子動物學新教科書では、女王バチ、働きバチの仕事について詳しく説明されているが、オスバチの役割については全く触れられていない。
    当時はまだ雄蜂の生態が十分に理解されていなかったため?それとも . . . 
    高等女学校の授業で、 “オスの仕事は交尾だけです” と教えるのが憚られたせい?
    ともあれ、明治・大正時代、ミツバチは尋常小学校や高等女学校でかなり詳しく教えられていたようだ。小學理科新書ではミツバチは蚕と同じ章で取り上げられている。当時の農民にとって、ハチミツ生産が蚕と同じような換金性産品だった可能性を示唆している。

    下写真は教科書でミツバチのことが記載されたページをスキャンしたもの。教科書の余白に書き込まれたノートからは、ミツバチの授業を一生懸命聞いている女学生の姿が浮かんできて微笑ましい。一冊300円の掘り出し物。


    *写真をクリックすると拡大します


    2010/01/15

    せたがやボロ市


    一月の恒例行事、10年前に早逝した旧友MM氏の墓参りと「せたがやボロ市」ヘ。

    狭い道路一杯に、神輿、農具、植木、塩鮭、. . . となんでも並んでいるのは例年のとおり。

    そして、朝は買気満々で家を出かけ、夕方には、古本2冊と作業前掛け1枚だけで帰宅、という収穫の寂しさも前年に同じ

    長い行列に圧倒されてこれまで諦めてきたが、今年は意を決して列に参加し「ボロ市名物代官餅」を買うことができた。

    アズキ餡、きな粉、大根みぞれの三種類があって各箱600円と良心的価格。念願の“名物”だからと奮発して三箱購入し、昼食がわりに路上脇で立食いしたがごくごく普通の餅だった。

    2010/01/14

    唱歌とヤマガラの芸

    大正元年 文部省尋常小学唱歌集(第四学年)に収録されている「山雀(ヤマガラ)」の歌。

    一番から、それぞれ「宙返り」、「水汲み」、「鐘つき」と呼ばれるヤマガラの代表的な芸を歌ったものだが、その歌詞が芸の内容を忠実に描写しているのに驚く。ヤマガラ芸は、かってはごく身近で見られ、当時の子供たちの誰もが良く知っていたことなのだろう。
    くるくる廻る 目が廻る
    とんぼう返り 宙返り
    川瀬にかかる 水車(みずぐるま)
    ぴいぴい山雀(やまがら) ぴい山雀

    よいこら引いた 綱引いた
    もいちど引いた 綱引いた
    釣瓶(つるべ)の水を こぼすまい
    ぴいぴい山雀 ぴい山雀

    つけつけ鐘を 一二三(ひいふうみ)
    お寺の鐘が 鳴る時は
    お前も山が こいしかろ
    ぴいぴい山雀  ぴい山雀

    2010/01/12

    スロベニアの巣箱



    今年の秋、Apimedica and Apiquality 2010 がスロベニアで開催される。スロバニアは、自分にミツバチにのめり込むきっかけを作ってくれた地。

    オーストリア・アルプスへのトレッキング旅行の下調べをしていて、スロベニアではソバの栽培が行われ、ミツバチの飼育も盛んだということを知った。特に独特なミツバチ小屋におおいに興味を惹かれた。

    一見すると物置小屋の壁にたくさんの引出しが埋め込まれている。その引き出しがそれぞれのコロニーごとの巣箱という団地風集合住宅で、この地方では昔から使用されている伝統的巣箱の形式らしい。(写真上)

    引出しの前壁には、巣箱ごとに楽しい絵が描かれている。(写真中)
    絵のモチーフは、民話や宗教的なものを題材にしているが、風刺とユーモラスが効いた楽しい絵も多い。(写真下) 

    かって日本の一部地方で見られたという巣箱に榊(サカキ)を飾ると同じように、ミツバチに対する敬意の念が伺われて興味深い*注1

    “ニホンミツバチをスロベニア式巣箱で飼ってみたい”. . . という妄想に取り付かれたのが数年前の話。そして始めたニホンミツバチの飼育だが、スロベニア巣箱での飼育まで到達するのはまだまだ道遠し、という感じだ。にもかかわらず、学会参加を口実にスロベニアを再訪し、数週間農家に住み込んで養蜂作業の見倣いをしようか . . . と、新たな妄想が頭をもたげつつある。

    (注1) 参考資料:「自然と文化 第67号(ニホンミツバチの文化誌)」”ワバチは「盛り」のシンボル” - 日本財団電子図館

    2010/01/11

    モースの見たヤマガラ芸

    ヤマガラ芸に関する資料を探していて目に止まった一冊の本。大森貝塚で有名な学者、E・S・モースによる日本滞在中の記録だが、スケッチと文章が実に楽しい。
    少々長くなるがヤマガラ(とおぼしき小鳥)の芸に関するところを抜粋引用。

     + + + + +

    東京の一区域で浅草と呼ばれる所は、立派な寺院と、玩具店と奇妙な見世物とが櫛比する道路と、人にとまる鳩の群とで有名である。 . . .かかる見世物の一つを訪れた。. . .

    我国の雀より小さくて非常に利口な、日本産の奇妙な一種の鳥を入れた籠がいくつかおいてある。. . . 小鳥達は早く出て芸当をやり度くてたまらぬらしく、籠をコツコツ啄いていた。
     

    図628 . . . この曲芸では、一羽が馬にとび乗り、他の一羽が手綱を嘴にはさんで、卓の上をあちらこちらヒョイヒョイと曵いて廻る。 . . .

    又別の芸当(図629)では、鳥が梯子を一段々々登り、上方の櫓に行ってから嘴でバケツを引き上げる。たぐり込んだ糸は脚で抑えるのである。. . .

    その次の芸(図630)では、. . . 三羽は . . . 太鼓や三味線をつつき、一羽は . . . 鈴やジャラジャラいう物を振り廻す。
    勿論音楽も、また拍子も、あったものではないが、. . . 鳥が一生懸命に自分の役をやるのは、面白いことであった。. .

    図631では、鳥が籠から走り出し、幾段かの階段を登って鐘楼へ行き、日本風に鐘を鳴らすように、ぶら下がっている棒を引く。. . .

    図632は弓を射ている鳥である。. . . 矢は射出され、的になっている扇がその支持柱から落ちる。. . .

    図633では、鳥が走り出して、神社の前にある鈴を鳴らす糸を引く。鳥は . . . 銅貨を拾ってそれ等をこの箱の内へ落し入れる。
    . . . 人は往来で立ち止り、祈祷をつぶやき箱の内に銭を投げ込む . . .

    最も驚く可き芸当は、図634に示すものである。鳥は机の上から三本の懸物を順々に取り上げ、小さな木にある釘にそれ等をかける。釘に届くために、鳥は低い留木にとび上がらねばならぬ。. . .







    別の芸当では、鳥が梯子をかけ上がって台へ行き、偉い勢いでいくつかの銭を一つずづ投げた。. . .
    更に別の芸当では、傘を頭上にかざして長い梯子を走り上がり、綱渡りをした。. . .
    また一定の札を拾い上げ、箱に蓋をしたりした。. . .

     + + + + +

    「私は実に大急ぎで写生をしたが、. . . 」との記述に、見物しながら必死でスケッチもしようとしているモースの姿が目に浮かんでくる。最後の3つの芸は結局写生が間に合わなかったのか挿絵はない。

    ぜひ実際のヤマガラ芸を見てみたいものと、今でもやっている所を探しているがまだ見つからない。

    資料:日本その日その日 3 (E・S・モース著、石川欣一訳、平凡社東洋文庫 179 初版第9刷)、「第十九章 一八八二年の日本」所収。
    写真は同書のP59〜P62の挿絵をカメラ撮影し加工したもの。写真下記載の芸の呼称は加筆した。

    2010/01/10

    Sustainable Beekeeping (持続可能な養蜂)

    玉川大学ミツバチ科学研究センター主催の第32回ミツバチ科学研究会へ。

    メインイベントは英国 Nichola Bradbear博士(Bees for Development代表)による「Sustainable beekeeping」の特別講演。

    その講演で博士は「持続可能な養蜂」のあり方を環境、遺伝子、飼育方法の3つの切り口から提唱した。
    1. 草木など、周辺の生態系の生物多様性を高めること。
    2. その地で在来のミツバチを飼育し、むやみに外から導入しない。
    3. 人間の手出しを控え、できるだけミツバチの意にまかせた養蜂を心がける。
    そのことが、「健康で強い遺伝子を持つミツバチを育て、持続可能な養蜂につながる」との博士の主張だった。

    3番目のテーマに関連してはトップ・バー巣箱(Top Bar Hive、上桟式巣箱)についても触れた。「まだ学術的に検証されてはいないが、TBHで飼育するミツバチは病気やダニに強いという話は自分も養蜂家から聞く」 とのこと。TBHについては、総合討論でも質疑があり、会議後の懇親会のテーブルでもかなり話題になった。

    TBH巣箱の布教者チャンドラーおじさんのホームページも、去年の春にはたった2人だけだった日本からのアクセス者数が、今では172人にまでに増えている。(1/10現在)

    注記:
    1) 演題の正式名称は “Sustainable beekeeping - best for bees and biodiversity” (ミツバチと生物多様性に最適な手段としての持続可能な養蜂)
    2) 写真はBradbear博士の講演で示されたスライドをカメラ撮影したもの。

    2010/01/09

    ラングストロース 生誕200年


    今年はラングストロースの生誕200年。米国では、特別行事や記念切手の発行などを求める運動が展開されているらしい。

    牧師であり教師、そして、backyard beekeeperの草分けでもあるL.L.Langstroth氏は、“近代養蜂の父”と呼ばれている。

    巣箱の巣枠間同士、あるいは巣枠と天井板や側壁との間に一定の隙間(=“ビースペース”)が必要なことを発見し、そのことが養蜂管理を飛躍的に改善し、移動式養蜂を可能にしたとされている。ジョン万次郎が漂流してアメリカ大陸に流れ着き、再び日本の地を踏んだ1851年頃のことだ。以来、ラングストロース式巣箱(Langstroth's bee hive)は、商業養蜂巣箱のスタンダードとして今でも世界中で使用されている。

    「ビースペースや開閉式天板は、以前から既にヨーロッパでは知られていた。彼の新発見ではない」との声もある。たぶんラングストロースの功績は、それら個別の知見や技術を統合し、養蜂技術として一つのシステムとして体系化したことにあったのかもしれない。

    ハチ飼い仲間では常識の「ビースペース」も、一般的にはあまりしられていないようだ。日本語で “ビースペース”の語句でGoogle検索をかけると、ビリヤード場(billiard)、地階レストラン(basement)、耐衝撃性設備(burst-proof)、レンタルボックス屋(space)、. . . などの社名や店舗名のサイトが続き、一向にミツバチの話には行き着かない。

    2010/01/08

    あわよくば . . .


    今朝から自宅前の大学で樹木の剪定作業が始まった。

    大学の庭にはコナラやクヌギの大木も多く、シイタケ原木に適当そうな太い枝をたくさん延ばしていることは、散歩の時に確認してある。
    切り落とした枝の片付け作業をかってでて、太枝を頂戴してシイタケ原木に、との期待も。

    ところが、若い作業員の話では、今年はサクラだけでコナラやクヌギの伐採予定は入っていないらしい。で、剪定作業は見物だけにした。

    2010/01/07

    本:「ミツバチの世界」


    ミツバチ研究の高度な内容を、動物生理学者 桑原万寿太郎氏 が、小中学生向けに分かり易く解説した本。

    岩波書店「少国民のために」シリーズの一冊。昭和29年発行で定価200円。

    紙質のせいもあるのか、紙面はすっかり変色してはいるが、中味は今でも新鮮で読みごたえ十分。ミツバチ研究の全体像が、難しい論文を読むよりはるかに良く理解でき、ミツバチへの興味をかきたてる。“むずかしいことを、やさしく表現”した良文・好著。

    巻末の編集後記からは、当時の日本社会の空気や、かっての “岩波文化” の香りも漂ってくる。
    編集後記:「父兄ならびに先生方に」*抜粋

    “この敗戦後の今日、日本はいやまさる困難に直面し、私たちの少国民に対する期待は、なおいっそう大きく、なおいっそう切実であります。. . .

    この本は読者として小学校上級生と中学生とを予想し、. . . 科学的知識と科学的探求とを常に結びつけて . . . 読者の理解力のおよぶかぎり明らかにし、. . . 多難な次ぎの時代を担当すべき少年少女諸君に対する、私たちの大きな期待から生まれました。 ”
    昨日の午後、神田神保町大雲堂書店で見つけた、新古書価格1000円の良い買物。

    2010/01/06

    ヤマガラのおみくじ引き

    山荘の庭に来る野鳥の中で、ヤマガラの人なつっこさは格別。テラスでコーヒーを飲んでいると、手の届きそうなところまで、親しげな顔つきで近づいてくる。

    縁日の大道芸人が、「おみくじ引きの芸」をヤマガラに仕込んだのも、むべなるかなと思う。
    調べてみるとヤマガラの芸は、つるべ上げ、鐘つき、梯子のぼり、乳母車押し、輪抜け、かるた取り、那須の与一、. . . 等々、「おみくじ引き」以外にも色々とある(あった?)らしい。(参考資料:「ヤマガラの芸—文化史と行動学の視点から」 小山幸子著 法政大学出版局)

    「つるべ上げ」や「那須の与一」など、比較的シンプルな芸であれば、フィーダーにくるヤマガラの中から、一番利口そうなのを捕まえて自分でも仕込めそうな気がする。(飼育許可を取るのは至難の技だが抜け道もありそうだ。)

    とりあえずは、他人様が作ってくれたネット上の山雀御神籤*注)を楽しみながら、大道芸人への転身の可能性も探って見ることにする。

     + + + + +

    「小鳥に芸の教え方」、「近世大道芸人資料」、「見世物研究」など、その類いの書籍は結構ありそう。ただ、そのほとんどが絶版で、Amazonへの中古出品もない。神田の古書街を歩いて探すしかなさそうだ。

    (注) 山雀御神籤は「凶」が出ても心配無用。もう一度開きなおすと「吉」や「大吉」に変わります。

    追記:kakodayonさんがYoutubeにヤマガラ芸のすばらしい動画をアップしました。必見!
              おみくじ芸
              つるべ上げ
              鐘つき

    2010/01/05

    深大寺へ初詣


    あまりに長い行列に、元日には参拝をギブアップした深大寺へ。人出はまだ結構あるが今日は列ができるほどではない。ミツバチ家族の繁栄と、人間達の健康を祈願し、深大寺蕎麦も食べて、恒例の深大寺初詣を終了。

    残す正月イベントは調布七福神巡り。去年は自転車を使ったが、今年は徒歩でやって見よう思う。マピヨン地図で測定した全行程は18〜20キロ。ほぼ一日仕事になりそうだ。

    2010/01/04

    風の中のマリア

    不思議な読後感の残る本。
    仲間内で一番の博学・雑学を誇るバンカーのYS氏が年賀状の余白で一読を勧めてくれた本「風の中のマリア」(百田尚樹著)。

    主人公は一匹のオオスズメバチ。名前はマリア。
    ほかの虫を殺戮することに生き甲斐を感じる自分って一体何者なの?

    仲間の危機に遭遇すると、自分の命をかけてでも闘いを挑みたくなるこの熱情はどこから湧いて来るの?

    同じメスなのに、なぜ自分は女王様のように恋をしたり赤ちゃんを産んだりすることができないの?
      . . . . .  次々と浮かんでくる疑問と悩み。

      絶え間なく起きてくるトラブルとの闘いに明け暮れ深く悩んでいるヒマもないハタラキバチのマリア。マリアが自分の人生(蜂生?)の意味に気付き始める頃には、彼女の短い生涯はもう終わりを告げようとしていた。

      オオスズメバチは、ミツバチにとって最大の天敵。これまでは、巣箱の周りに翔んで来ると、憎しみを持ってネットで捕殺し踏み潰していたが、この本を読んだ後はその戦意も鈍りそうだ。

      蛇足:
      著者が主人公のススメバチをマリアと命名した理由が分かるような気がする。それも「エル・エスコリアルの無原罪の御宿り」(写真)に描かれている純真無垢な瞳のマリアに違いない。と言っても、蜂飼いの世界では、“無原罪の御宿り“はハタラキバチによる「無精卵産卵」で群を崩壊させる凶事の一つ。

      2010/01/02

      木更津からの富士山


      客人を送って成田空港へ出かけた帰路、遠回りして内房〜アクアラインをドライブ。

      木更津港から見る富士山は、八ヶ岳から眺めるいつもの姿とは随分違い新鮮。八ヶ岳からの富士は「頭を雲の上に出し . . . 」だが、木更津からは「田子の浦 . . . 」に詠われるたおやかなフジヤマだ。
      三が日とあって、東京湾を行き来する船の数は少ないが、海ほたるPAは満車の状態。アクアラインの通行料値下げ効果はまだ健在だった。

      2010/01/01

      2010 初詣


      初詣に訪れた深大寺。参拝所まで延々と続く列に今日の参拝は諦め、近くの布田天神に急遽宗旨替えを。
      深大寺への初詣は日を改めて出直すことにする。