2009/02/20

はだしの養蜂家

(Hans Thoma - Kinderreigen 1872, free encyclopedia)

本を漁りながら手探りで行っている趣味のミツバチ飼育、これまでボンヤリと感じていた養蜂スタイルに示唆を示すようなWEBが目に止まった。

イギリスの趣味の養蜂家(本職はIT系会社のマーケティング) Philip Chandler氏の提唱する "Barefoot Beekeeping"。具体的に彼は次のような養蜂を主張している。
  • minimal disturbance - ミツバチの生態をできるだけ邪魔しない。
  • chemical-free - 巣箱の塗装、害虫駆除、給餌などで薬品や化学的物質は使用しない。
  • small-scale beekeeping - 周辺環境に適した数箱の小規模飼育。
  • low impact - 採蜜は最小限にし、ミツバチが冬越しに必要なハチミツは残してあげる。
  • low-cost - 廃材などを利用し、安価で誰にも容易に造れる巣箱。
  • learn from bees - 人間の都合に合わせようとするのでなく、ミツバチから学ぶ態度
+ + +

Chandler氏は、なぜ自分の養蜂スタイルを”Barefoot=裸足”と呼ぶことにしたのだろうか?そんな小さな疑問から "Barefoot" の語句を調べてみて驚いた。
  • 古代オリンピックの競技では選手は裸足であることが求められた
  • 邪悪な魔力を削ぐため、魔女狩りではまず魔女の履き物を脱がして裸足にした
  • 中世、奴隷は裸足であることを義務づけられていた

  • 大地からエネルギーをもらうため、オーストラリアのクリケットチームは試合前に裸足でグランドを歩く
    (写真:The Times Monday July 08 2019 BST, by Stebe James)

  • 20世紀後半、女性シンガーが舞台上で裸足で歌うことが流行した
. . . などなど。

"barefoot=はだし"には、社会的な史実、宗教教義の変遷など、驚くほど多くのニュアンスを内含した言葉であることを初めて知った。Chandler氏が”Barefoot”の語句を選んだ真意を知るためには、彼の提唱するBarefoot Beekeepingを実践してみることが必要と思うようになった。