2008/06/12

ニホンミツバチは神の使い


宮崎の椎葉村や長野の伊那谷と並んで昔からニホンミツバチの養蜂が盛んな熊野(和歌山)。その熊野地方での養蜂に関する興味深い調査レポートを読んだ。(注 1)

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熊野ではワバチ(=ニホンミツバチ)は神の使いとされ、蜂の群が増えるとその家は繁栄すると信じられている(いた?)。

だから、. . .
  • 新しいゴーラ(=分蜂群トラップ)は社日(注 2))に設置する。
  • 設置する前に、巣箱に塩やお神酒を振りかけてお清めをする。
  • 採蜜は適量にして蜂の冬越しに必要な量は必ず残しておく。
  • 神を祀る祠と同様、巣箱の周りは掃除をしていつも清浄に保つ。
  • 巣箱に神榊(サカキ)を飾ってミツバチを敬う。
古き良き時代のサステイナブルな養蜂生活。時には唯我独尊的に行動するミツバチに対し、当時の人々が抱いていた心情が伺われて興味深い。

(注 1)  出展「自然と文化」“熊野におけるワバチの飼養
(注 2)  社日(しゃにち) = 陰陽五行説で農作物の豊穣を祈願する節日。春分・秋分に一番近い戌の日