2015/02/08

(続) 多摩川のミミズク


いまにもミゾレに変わりそうな冷たい雨。この寒さの中で昨日のトラフズクはどうしているのだろうと様子を見に行った。

昨日と全く同じ枝の、寸分違わぬポジションに止まっている。今日は羽角を寝かせていて一見ミミ(耳)ズクらしからぬ顔貌だ。ただ、昨日は一度も開かなかった眼をカッと見開いているので、トラフズク特有の鮮やかな虹彩のオレンジ色が遠くからでもよく分かる。
こうして拡大してみると、同じミミズクでも、以前インドネシアで手に入れた木彫りの壁飾りマレーワシミミズクとは随分顔形が違う。

そしてフィールドスコープでのぞいて見ると、昨日は気づかなかったがすぐ近くの草叢の中にもう2羽の仲間がいた。冬の間、トラフズクやコミミズクは群れで塒(ねぐら)を作ることはよく知られている。


フクロウの百科事典、 "The Owl Pages" によれば、. . .
  • 雄はテリトリーを定めると盛んに縄張り宣言の鳴声を発する。
  • 巣はカラスなど他の鳥の空巣や草叢を利用する。
  • 求愛期、雄は巣の近くで不規則な滑空飛翔や羽ばたき、時には独特の羽打音を出してディスプレイを繰り返す。
  •  . . . 
と記述されている。

The Owl Pagesには、雄、雌、雛ごとの鳴声、外敵が近づいた時の警戒音、求愛の羽打音など興味深い録音記録もある。警戒時の鳴声はフクロウとそっくりで、営巣期も3月中旬〜5月と八ヶ岳のフクロウ達とほぼ同時期のようだ。であれば、間もなく "結婚〜産卵〜育雛〜巣立ち" と、約3ヶ月にわたるエキサイティングなドラマが始まるはずだ。

トラフズクのそんな営巣生活をこんな街中で観察できれば素晴らしいことなのだがかなりむずかしい願望なのかも知れない。八ヶ岳の森のフクロウの天敵、テンやハクビシンはこの辺りにはいそうもないが、それに代るもっと手強い天敵が多そうだ。
トラフズク夫婦が子育てに専念できる静穏な生活環境をなんとか確保できないものかと考えを巡らしてはいるのだが . . . 。