2013/03/29

プライベート フットパス

落角の季節。林の中のけもの道を辿って鹿の角を探し歩いていると、これまで来たことのない渓流にたどり着いた。

流れが浅いので渓流釣りの人が登って来そうな場所ではない。時々浅瀬を横切らなければならないので、ゴム長靴が必携とあっては散策向きでもないだろう。

時折、赤い境界標があるので前人未到の地でないことは確かだが、滅多に人が入ってこない場所であることは間違いない。その証拠に、取り残されて干からびてしまった無数のヤナギタケが木の幹にこびりついている。去年の秋に出会った史上最多のヤナギタケ生育木に勝るとも劣らないような優良ホダ木(?)もある。

 渓流沿いに歩いているとミソサザイがつかず離れずの距離を保ちながら従いてくる。まだ小さいので名前は分からないが、足元には野草の芽吹きも豊かだ。

これからは時々歩いてみよう。四季折々楽しめる“プライベートフットパス”になりそうだ。 糞は絶え間なくあるが、鹿の角は一本もみつからなかった。

2013/03/28

ミツバチの翅音


庭のダンコウバイの木から盛んに聞こえてくるミツバチの翅音。この音を聞くと、ミツバチ達の今年の越冬大作戦が成功裏に完了したことを初めて確信できる。

そのダンコウバイの木には、ミツバチを狙う憎っきヒヨの姿も。

2013/03/27

カモシカ

林の中を歩いていて出会ったカモシカ、一角獣では?と思えるほど左側の角が短い。

以前これとそっくりの光景を見た記憶がある。古いブログ投稿をチェックしてみると2009年のニホンジカの落角シーズンの出来事。この時に見たニホンジカも2頭とも左側の角が短かった。

さてはシカの角の右長左短現象は、落角シーズンに見られる自然界の摂理に違いない。新発見をしたような気持ちで更に調べを進めると、ウシ科のカモシカには、シカ科のシカのような春の落角はない、ということが分かり一人赤面。ミツバチの観察でも、似たような早とちりの結論や、我田引水の判断がありそうな気がする。心しなければ。

2013/03/25

2013年 春子の誕生

10日ほど留守にしている間に椎茸ホダ木から幼菌が随分顔を出していた。去年の春子より1ヶ月近くも早い芽生えだ。

幼菌がホダ木の下半分に多いところを見ると、ホダ場がやや乾燥気味の様子。そこで、立ち気味だったホダ木を寝かせるように並び替えて地表から立ち上がる湿気がホダ木にもっと当たるようにし、寒冷紗を二重にして遮光率を高めてホダ木の水分蒸発を押さえるようにした。

2013/03/22

一気に春

今年の春は一気にやって来た。今日の神代植物公園は、. . .

カタクリ、二リンソウ、アズマイチゲ、アマナ、コスミレ、などの花が林床を飾り .  .  .
神代曙(エドヒガン系の桜)はもう満開で、ソメイヨシノも5〜6分咲きまでになった。


クロモジはミツバチが好みそうな小さな花を一杯につけ . . .
ハナノキ(カエデ)の梢は深紅の花で染まっている。

CCD(蜂群崩壊症候群)ですっかり名前が知れ渡ったアーモンドの花も今が一番の盛り。








. . . と言うのに、今日も園内で一匹のミツバチも見かけなかった。

以前、デンマークの友人宅を訪れた時、「春、リンゴの開花が早過ぎて、昆虫が蠢き出すのとうまくタイミングが合わなかった。だから今年はどこの家でもリンゴが不作なんだ。」と聞いて、“ヘーそんなこともあるんだ”と思ったことがある。(日本の田舎の柿の木のように、デンマーク人の家庭では庭にリンゴの木を植えたがる。)
それと同じような現象がこの春は起きているのだろうか?

2013/03/20

(続) 天使の吹笛


分蜂前夜に巣箱から聞こえてくるという“天使の吹笛”。別れを惜しんで、ミツバチ達が夜を徹して開く別れの宴で奏でられる竹笛の音色だ。

その光景を語る吉田翁の名文に魅了され、天使の吹笛を録音しようと思い立ってから今年で4年目の分蜂シーズンを向かえる。これまで、分蜂前夜のレコーディングに成功したのは2回だけ。この春はもう少しデーターを集めようと考えていた矢先にAPiS UKの記事を目にした。

巣箱から聞こえる翅音を解析し、ミツバチの分蜂日時を予測する英国ノッティンガムトレント大学の研究を伝えたもの。早速、研究論文を購入して読んでみた。観察ポイントなどで多少の違いはあるが、ミツバチの翅音と分蜂決行日時に深い関連性があることは吉田翁の慧眼どおりだった。

実のところ、実験養蜂新書で"天使の吹笛"を知った時は半信半疑だった。だから、自分で確認しようと、巣箱内の翅音の録音を試みたのがことの始まり。録音できた2回の記録を丹念に聴いてみたがそれらしい音色を確認することはできなかった。

論文から推測すると、"音全体"に変化が起きるのではなく、ざわめきの中にある特定の音色が埋め込まれており、それを吉田翁は“天使の吹笛”と呼んだようだ。そして、その"埋め込まれた音"を聴き分ける能力(カクテルパーティー効果と呼ぶそうだ)は、人により差異があることも知った。

"天使の吹笛"の背景にあるそんな複雑な事情や、ノッティンガムトレント大学での本格的な研究を知ったいまとなっては、今更自分でマイクロテープレコーダーでの録音でもないだろう。ましてや、自分に吉田翁のような音感があるとも思えない。ということで、このプロジェクトは中止にし、今後はノッティンガムトレント大学の研究成果に教えを乞うことにした方が良さそうだ。

それにしても、憧れの天使が科学のメスで切り刻まれてしまうことには一抹の寂しさを感じなくもない。

注記:
  • 上写真のグラフは、同大学の論文、"Identification of the honey bee swarming process by analysing the time course of hive vibrations"論文からの借用。下右グラフは、David A. CushmanのWebサイトから借用したApidictorの開発者E.F.Woodsの論文から拝借
  •  既に1964年にApidictorなる測定器が開発されたことも今回初めて知った。

2013/03/11

巣箱博覧会

1月の「みつばち講演会」のフォローアップ企画として、今日は、我家の庭でミツバチ入門者向けの巣箱説明会。

巣箱の自作を考えている皆さんなので、それぞれの巣箱タイプの長短を説明しようと、これまで使用した巣箱を庭に並べてみたら、巣箱博覧会のような光景になってしまった。

2013/03/10

冬をむねとすべし


巣箱の作りようは、冬をむねとすべし。
 夏は、いかなる所にも住まる。
寒き比わろき巣箱は、堪え難きことなり。

高地寒冷地におけるミツバチ巣箱のありようを、兼好風に表現すればこのようになるのだろうか。

標高1250mの八ヶ岳高原で試行錯誤を重ねながらニホンミツバチの越冬を試みてきた“現時点”での結論。

具体的には;
  1. 気温・風・太陽光などの外部要因で巣内温度が乱高下しない断熱性能
  2. 湿気や炭酸ガスを排出し、暖気はできるだけ逃がさない吸排気機能
  3. 越冬蜂球が貯蜜圏直下にできるような巣箱内形状
. . . が越冬巣箱の3大キーポイントのようだ。

そして、それらは決定づけるのは、①材質、②デザイン、③設置場所の三つの要因。

以上の条件に、(a)素人でも自作できる、(b)観察が容易、(c)部分採蜜も可能、という人間様の都合を付け加えて固まったのが以下の基本構想になる。
  • Abbé Émile Warré牧師の縦型トップ・バー・ハイブを基本に、
  • 日本の重箱式巣箱の要素を加味し、
  • 明治の養蜂研究家吉田弘蔵翁の知恵を一部拝借する。
次の冬でのテスト運用を目指して数台の巣箱を試作しようと、テーブルソーと特注板材は既に入手した。



2013/03/09

無事越冬?


昨日から花粉団子を持ち帰るミツバチの姿が俄然多くなった。よほど花粉を渇望していたのか、あるいは、巣内でたくさんの蜂児が育ち始めたのか?

ここ数日の暖気で随分解けたとはいえ、山荘周辺ではまだ道路脇や林の中にはタップリ雪が残っている。近所を歩きまわってみても、花を咲かせているような草木は見当たらない。たぶん泉ラインよりもっと標高の低い場所まで花粉集めに出かけているのだろう。

寒気のぶり返しがなければ、そろそろ防寒用のムシロを外して内検をしたいが、天気予報ではまだしばらく油断できそうにない。

2013/03/05

ビー・ウォッチング・ウォーク

春の陽気の神代植物公園の散策。
福寿草やロウバイの花は既に峠を越し、今はサンシュユや白梅・紅梅が見頃。この週末は梅の見物客で混みそうだ。

園内で目に止まった外径30センチもあるマンサク大木の切り口。ごく最近に伐採されたようだ。
めったにお目にかかれないような最高のミツバチ巣箱素材。特に芯部の腐食が理想的だ。既に産業廃棄物として処分されてしまったようでなんとも悔しい。

ミツバチの姿を探して園内を歩き回ってみたが今日は一匹も見かけなかった。
いつものカワセミは、いつもの場所で、いつもの姿勢でジッと水面を見つめて小魚を狙っていた。

2013/03/02

KT式待ち箱

3月5日の啓蟄までは待ちきれないとばかりに、春の分蜂シーズンに向けて蜂飼い人が蠢き始めた。

今日、山荘に運ばれてきたのはKT式待ち箱9基。*(注) 軽井沢在住のTN氏が、永年の経験をベースに開発した待ち箱で、分蜂群捕獲巣箱としてのその高い性能は、八ヶ岳南麓の分蜂群捕獲戦線でも既に実証されている。

車から巣箱を下ろし、庭先に並べていると早速我家のミツバチ達が寄って来て巣門を出入りしている(埋込写真)。もちろん彼女達は新居を探している偵察蜂ではないが、KT式待ち箱に興味しんしんなのだ。KT式待ち箱にはミツバチを魅了する何かがあるのだろう。

+ + + + +

TN氏が今回持参した新製品の、12角形と16角形の巣箱が実に興味深い。(従来器は8角形)
実はこの冬Warre Beekeepingをニホンミツバチで実践するための巣箱を製作しようと関連情報を集めていて、海外養蜂家の間に巣箱多角化への動きがあることを知ったばかりだった。

多角派の主張は単純明快。
  • ラングストロース氏の"近代養蜂"なるものが誕生して、ミツバチは四角い箱に押し込められることになった。
  • でも、それは3000万年に渡るミツバチの長い歴史の中で100年少々のほんの一瞬の出来事に過ぎない。なのに現代の蜂飼い達は、ミツバチは四角い箱に住むものと信じて疑いもしない。
  • 野生のミツバチの巣は球体に近い。そして、自然界のミツバチの多くが樹洞などの丸筒空間に巣を作ることは衆知の事実。とは言え丸太樹洞の入手は現実的には難しい。だから出来るだけそれに近い多角形巣箱を。
. . . ということになる。

表面対容積比、換気・対流機能、スムシ軽減など、丸筒巣箱(シリンダーハイブ)の優位性について、科学的に論証しようとする試みもあるようだ。

それにしても、フランスで、イギリスで、ドイツで、アメリカで、. . . そして日本の信州の地で、同じような発想を持つ蜂飼い人が同時並行的に生まれているのが面白い。

下写真左の3点が
KT式待ち箱の変遷、右は改良型Warre巣箱

    (注) これまでは軽井沢TN氏巣箱と呼んでいたが、今後はKT式待ち箱と改めることにした。

2013/03/01

天敵 ヒヨドリ

巣箱前に陣取ってミツバチを捕食するヒヨドリ。
巣門前の地上に散乱している死骸には目もくれず、巣門から飛び出してくる生きたミツバチだけを狙っている。

野鳥の中で、ヒヨドリ、カラス、キジバトにはどうしても好感が持てない。容姿風貌ではなく、人を人とも思わぬように振る舞うその無礼な態度が理由。