2011/06/28

キジの親子

庭に餌を求めて現れたキジの親子。突然の人間の姿にビックリし、ヒナは立ち止まってそこから動けなくなってしまった。

先に草むらに逃げ込んだ母親は、時折首を延ばして小さな鳴き声で盛んにヒナを呼び寄せる。

草陰に隠れていたヒナは駆け足で移動して母親の側に身を縮める。すると、母親は草むらの中を頭を下げ低い姿勢でソロリソロリと歩きながら次の場所へ移動し、再びそこへヒナを呼ぶ。

そんな行動を繰り返しながら草原を移動し、最後は草の茂みから母子同時に飛び出して道路を横切って灌木の中へ姿を消した。

先行して安全を確認する母鳥の行動はまるで野戦場での斥候のよう(と言っても見たことがあるわけではないが)。得意げな顔をして一列縦隊で行進するカモの親子とは随分様子が違うものだとしばらく見物させてもらった。

ヤマタツナミソウ


山荘の庭で今年初めて見た野草、タツナミソウ。茎の白い毛が上を向いているのでヤマタツナミソウとのことだ。ちなみに、毛が横がオカタツナミソウ、下方向がタツナミソウ。
それにしても、この花を見て“立浪”を連想する命名者の感性には感服する。

野鳥や昆虫に比べ、野草の命名にはそんな想像力豊かな名前が多い。

2011/06/27

フクロウ巣箱の点検


八ヶ岳自然クラブ フクロウグループの巣箱点検作業。営巣した巣箱に残された残留物の中に残されたフットプリントを見つけ、フクロウの生態や害敵の巣箱への侵入状況などの調査。フクロウにとってより良い生息環境になるため、人間は何ができるのか、何をしてはいけないのか、を探ろうとするものだ。

親鳥やヒナが吐き出したペレットや糞、フクロウ自身の羽毛に混じり、コゲラやカワラヒワのものらしい羽根がかなり目につく。フクロウの餌になった残骸だ。鷲鷹と同様、土中・地上の食物連鎖の頂点にいると言われるフクロウ。小さな巣箱の中に、自然界の壮大な生態系の一端が印されていて実に興味深い。

2011/06/26

シレネブルガリスが満開


シレネブルガリス(マンテマの仲間)が満開。去年に比べ約2週間遅い。花の色も今年はやや白っぽく感じる。我家のシレネブルガリスは、毎年6月と9月の年2回開花する。

「スイスアルプス高山植物ポケットガイド」(Rotten Verlag出版)には、“開花時期:6〜9月”とあるが「2度開花する」とまでは書いてない。夏の暑さの厳しい日本だけでの現象なのか?

2011/06/25

名前の由来 レンゲツツジ

明日は霧ヶ峰〜車山へレンゲツツジを見に行く。この機会に以前から気になっていたレンゲツツジの名前の由来を調べることにした。

Wikipediaには “つぼみの形が蓮華(仏像台座)に似ているから”と書かれている。でも仏像台座はハス(Nelumbo nucifera)の花を模したものということが定説なので、レンゲツツジ(Rhododendron molle subsp. japonicumがここに割り込むのに
はなんとなく違和感がある。であれば直裁的に”ハスの花に似ているから”とする方が分かりやすい。あるいは ”つぼみが田圃に咲くゲンゲ(Astragalus sinicus)に似ているから” とする別説の方が素直に感じる。

興味深いのは中国伝来説。レンゲツツジは漢字で蓮華躑躅と書く。中国語で躑躅(てきちょく)は“行っては止まる”という意味。レンゲツツジの花の美しさに見惚れて近くを通る人が歩みを止めるからこう呼ばれるようになったとある。

さらには、歩みを止めたのは人ではなく羊だとの説も。毒性のある躑躅(=レンゲツツジ?)を食べた羊がその毒性で2〜3歩あるいてうずくまってしまったことに由来するのだという。
この中国伝来説、”ツツジ(躑躅)”の説明としては面白いが ”レンゲ(蓮華)” については何も語ってくれないのが残念。

ちなみに”日本産ツツジで毒性があるのはレンゲツツジだけ”だけなのだそうだ。

2011/06/24

車山のレンゲツツジ

八ヶ岳自然クラブ主催のハイキング「霧ヶ峰の花をたずねて」。

お目当てはレンゲツツジだったが、車山湿原の周囲でもまだ2〜3分咲きと言うところ。全山がオレンジの色に染まるまでにはもう数日かかりそうだ。

今は、コバイケイソウとコナシ(ズミ)が一番の見頃。

コバイケイソウがこんなに純白で美しい花とは知らなかった。これまで、一番の見頃の時期に出くわしたことがなかったせいだろう。

ハイキングの終盤、車山肩の稜線にヒョッコリと現れた山小屋。その建物が目に入ると同時に、この山小屋の主人と将棋を指した日のことが頭に浮かんできた。

お互い“ヘボ”だったが、かなり夢中になって何番も指した記憶がある。もう随分昔の話。今ではこの山小屋も使われていないようだ。

2011/06/22

クリンソウとヤナギタケ

今日の散策で見た光景。

「クリンソウ=春、ヤナギタケ=秋」という自分の先入観のせいか、なんとなくチグハグに感じる光景。

改めて図鑑で調べてみると、ヤナギタケは“梅雨〜秋に生える”とあるからこの時期に見ても別に不思議ではなさそうだ。

クリンソウは九輪から三輪の塔へ、倒木に生えたヤナギタケのヒダはすっかり開き黒ずんでいる。どちらも見ごろ食べごろの時期は過ぎていた。

蛇足:ヤナギタケ=ヌメリスギタケモドキ (Pholiota aurivella (Batsch:Fr.) Kummerb)

2011/06/20

にじり巣門 - 使用編

. . . . . [ にじり巣門 - 製作編 ]からの続き。

1. 竹棒Aを巣箱前壁に木ネジで固定する。
竹棒Aの下端と床面は4.0〜4.5mm以上離し、働き蜂も女王蜂も自由に出入りできる高さを確保する



2. 竹棒Bの楕円穴の最外端位置に木ネジを取付ける。
木ネジは、完全に締め付けないで竹棒Bが動く程度の仮締め。
3.竹棒Bを少しずつ移動し、巣門隙間の幅を変えながらミツバチの出入りをしばらく観察する。
できれば30〜60分間くらいの時間をかけてゆっくり観察。

4. 働き蜂が “やっとにじり出る” ことができる程度(中写真)の隙間ができる位置で竹棒Bの木ネジを締め固定する。
二次以降の分蜂女王蜂は女王がまだ未交尾で卵巣内に卵を蓄えてないので旧女王よりスリム。働き蜂との身体サイズはより僅差なので隙間の広げ過ぎに注意。

5〜10分経っても一匹も外に出られないようでは絞り過ぎ(上)。働き蜂が次々と出入りするようならやや開け過ぎ(中)。オスが出られるようでは完全な開き過ぎ(下)。
5. 二次以降の分蜂群に使用する場合は、竹棒Bを外側に移動してにじり巣門は出来るだけ早く開放する。
二次以降の分蜂群の女王はまだ未交尾。新女王を交尾飛行に出かけさせる必要がある。交尾を終え、産卵を始め、巣内に蜂児圏ができて初めてその群は巣箱に定着する。できれば分蜂群捕獲後1週間以内にはにじり巣門を開放したい。
6. にじり巣門を開放した後も、しばらくの間は竹棒ABとも巣箱に装着しておく。
万一逃去が始まった時、直ちに巣門を狭めて女王蜂の出奔を緊急阻止するため。
7. にじり巣門を完全に取り外すのはS式スクリーンやハチマイッターの取り外しのタイミングと同じ。

にじり巣門 - 製作編

. . . . . [ にじり巣門 ]からの続き。

ハチマイッターや、S式スクリーンに代わる逃去防止器具の試作品の詳細。( . . . というほど大げさなものではない。竹の棒を2本取り付けるだけの話。)

1. [1〜2cm幅 x 約20cm長] の竹の棒を2本準備する。
竹棒の幅と長さは巣門の間口を十分に覆うだけの幅と長さ。

竹を使用する理由:
  (1) 木質材ではミツバチが齧って巣門隙間を広げてしまう。(2) 竹は直線加工が容易で正確な巣門隙間が作れる。

今回は孟宗竹を使用したが、孟宗竹が手元にない時はシノ竹
もOKと思う(自分ではまだテストしてみてはいないが)
2. 竹棒Aに切り込みを入れる。 
必須ではない。使用している巣箱巣門が比較的大きい場合や、巣箱にネジ止めする際の必要性に応じて。

切込みの深さは、竹棒AとBを巣箱に装着し密着させた時に隙間ができない、あるいは、せいぜい1〜2mm程度の隙間の範囲に収まるようにする。
3. 竹棒Aには「真円」、竹棒Bには「楕円」のネジ穴を両端に開ける。

竹棒Bの楕円形ネジ穴」は巣門格子の間隔調整のため重要なポイント。
錐(キリ)でも工作可能だが電動ドリルがあれば作業は一層容易。

4. 竹棒Aを巣箱前壁に、竹棒Bを巣箱床面に木ネジで取付ければ「にじり巣門」の完成。

 [ にじり巣門 - 使用編 ]へ続く . . . . .

2011/06/18

にじり巣門

この春、S式スクリーンを装着していたにもかかわらず女王蜂もろとも姿を消す、という事例が発生した。スリムな新女王が、スクリーンの隙間をかいくぐって逃亡したのでは、と推測している。

考えてみれば、女王蜂の全てが寸分違わないサイズであるはずはない。同じニホンミツバチとはいえ、個体差があるのは至極当たり前のことだろう。

であれば、隙間が固定された市販のハチマイッターやSスクリーンでは全ての蜂群に対応できないケースもあるはずだ。事実、K型スクリーンの名称で、格子幅を微調整できる器具が特許申請されてもいるのもそのことを裏付けている。

そこで、格子隙間がアジャスタブルな“ハチマイッター”を自作することを思い立ち、この春の分蜂捕獲群で試用してみた。結果はかなり満足のいくもの。必要経費も低額で製作も簡単。器用な小学生なら20~30分もあれば作れるだろう。

材料は約[1cm幅 x 15cm長] の竹の棒2本と木ネジ4本。必要な工具は、ノコギリ、ナイフ、キリ、ドライバー。

なお、ハチマイッターやS式スクリーン・K型スクリーンは商品名。商標登録されている(かも知れない)ので、今回の自作製品は、茶室の躙口(にじりぐち)に倣い、今後「にじり巣門」と呼ぶことにする。

[にじり巣門 - 製作編]へ続く . . . . .

+ + + + +


蛇足: 「逃去」、「ハチマイッター」に関する説明
  • 自然の中で自生してきた日本ミツバチには、巣箱を放棄してより住みやすい環境を求めて一斉に引っ越してしまう「逃去」と呼ばれる習性がある。
  • 逃去は、巣箱からハチミツを採取した直後、分蜂群を巣箱に取り込んだ数日後、などには特に頻発する。
  • 逃去を防ぐために、「ハチマイッター」や「S式スクリーン」と呼ばれる器具が市販されている。(価格 3000〜8000円) 
  • 女王蜂の身体が働蜂より一回り大きいことを利用し、女王蜂が巣箱の外に出られないようにするもの。万一、逃去を決行しようとしても、女王が合流できないので逃去を諦めることを狙ったもの。
  • 時には女王がハチマイッターをくぐり抜けてしまったり、女王を見捨てて働き蜂だけで逃去する群もいて、全ての逃去を阻止できるわけではないが大方のケースでは機能する。

2011/06/13

赤松のミドリ摘み

去年に続き臨時職人を入れて赤松のミドリ摘み。

去年は全くの新人だった職人さんも、2年目とあって作業姿勢が随分様になってきた。
もちろん、まだプロの作業姿勢には遠く及ばないが。

分蜂シーズン閉幕

今日は、分蜂仕事納め。

4月末から出しっ放しだった2連梯子、脚立、捕獲ネットなど、分蜂群捕獲用具一式を片付けた。

5月8日にスタートし、6月5日のTHB観察巣箱群の3次分蜂で終わった今年のミツバチ分蜂シーズン。
新しい体験や知見、新たに浮かんだ疑問など数多くあったが、それらについては後日整理し記録しておきたい。

ともあれ、ほとんどの分蜂が英国養蜂家の格言 “荷馬車一杯の干し草ほどの価値がある” 期間中に終えたことはまず良しとしよう。(注)

あとは、間もなく開花しそうなアオハダ(写真)やアズキナシなどから花密をたくさん集め、栗の花が終わる頃までには大きな群に育ってくれるのを待つばかりだ。

(注記) 英国エジンバラの季節の移り変わりは八ヶ岳南麓の気候に近い。ということで、エジンバラ養蜂組合のWEBは参考情報として重宝させてもらっている。

2011/06/11

アカゲラの巣立ち


フクロウの雛が巣立ちし、少し寂しさを感じていたところへ、「アカゲラの自然巣が見つかりましたよ」とのKH氏からの情報。

早速案内をお願いして現地に赴くと、餌を求めるヒナのけたたましい鳴き声が林の中に響き渡っている。口一杯に虫をくわえて訪れる親鳥の姿も頻繁。

エサをもらうヒナは、もう親鳥に負けないほど大きく育ち、一両日中には巣立ちそうな雰囲気だ。八ヶ岳高原では、今あちこちでいろいろな子育てが営まれているようだ。

ちなみに映画製作などにも携わっているKH氏。趣味の野生生物写真の分野でも知る人ぞ知るプロ級の腕前の持ち主。一枚のナイスショットを追い求めるその情熱は尋常ではない。

2011/06/09

フクロウの巣立ち


待ちに待ったフクロウの巣立ち。

 巣箱近くのカラマツの、高さ約10mの枝に身を潜めていた。なんとなく不安そうな目はしているが元気そうだ。

昨夜巣箱を飛び下り、ノコノコと地上を這い、足爪と嘴を使って少しづつ時間をかけてあの高さまでよじ登ったのだろう。もちろん母親の誘導・介助もあったはずだ。

その母親は、幼鳥の止まっている木から70mほど離れた木からジッと幼鳥を見つめている。

巣箱から出たとはいえ、これで親鳥の役目が終わったわけではない。

フクロウ夫婦の子育ては、幼鳥が自分で狩りができるようになるまで、森の中で幼鳥の居場所を移動させながら、これから数ヶ月(通常2〜3ヶ月間らしい)続く。

母親は子供のそばに着かず離れずに寄り添いながら、幼鳥を害敵や事故から守り、飛ぶことや餌の獲り方を教える。その間父親は遠くまで餌探しに奔走し、獲って来た獲物を母親に渡し、母親が幼鳥に与える。

そんな仲睦まじいフクロウ一家の新しい生活が、この八ヶ岳南麓の森の中でまた一つ始まったと思うと嬉しくなる。

2011/06/08

スズメバチの焼酎漬け

ミツバチは分蜂や逃去の気配も示さず至極穏やか。巣門を出るとサッと上空に飛び立つ普段の出勤風景。そして、昨夜の決行は間違いなし、と予想していたフクロウの雛はいまだ巣立ちをせず。

そこで今日は、スズメバチの焼酎漬けの仕込み作業を。
  • 熱湯消毒した瓶に35度の焼酎を入れる。
  • ミツバチを狙って庭に来るスズメバチをネットで捕まえる。
  • 捕まえた蜂の首を割り箸でソッと挟む。
  • その蜂を液面に叩きつけるようにして焼酎液に浸す。
. . . というのが仕込みの手順。テラスでコーヒーを飲みながらの作業としてはちょうど良い。

“生きたまま”のスズメバチを、焼酎液面に“叩きつける”ことが上質のスズメバチ焼酎を造るコツと言われている。「生きたまま」はともかく、「液面叩き」となるとその効果のほどは分からない。民間療法では、精力増強、疲労回復、血糖値是正、美肌、. . . 等の効能がある言われているが、こちらも真偽は不明だ。

蜂蜜、女王乳(=ロイヤルゼリー)、蜂毒、蜜蝋、プロポリスなど、蜜蜂産品の医学的利用については、西洋医学でもかなり科学的なアプローチが進められるようになってきた。でも「スズメバチの焼酎漬け」が、国際学会APIMEDICA のメイントピックスの一つとして加えられる日がはたして来るかどうか?まだしばらく真偽不明の時代が続きそうだ。

今日の仕込みは90cc瓶3本。ブヨや蚊に刺された時の塗り薬としては効果がある、というのは身近な実体験者から何度か聞いている。野草愛好家やガーデニング趣味者への風変わりな贈り物としては使えそうだ。

春先の来訪者は、キイロスズメバチもオオスズメバチも身体が一回り大きい女王蜂のことが多いので、飾り物としも秋に仕込むスズメバチ酒より迫力がある。

2011/06/07

鹿の袋角



先日林道で出会った猟師。鮮やかなオレンジ色の山梨県猟友会のジャンパーを着て、カラマツ林の中で鹿を追っていた。

その若い猟師の話 . . .「生え変わって出てきたばかりの鹿の角はブヨブヨに柔らかいんだよ」。

今日の昼間、車の窓から見た鹿(写真上)、数日前に温泉帰りの薄暮の中で見た鹿(写真下)、どちらの角も柔らかそうに見えた。今、鹿の角は彼の言う“ブヨブヨ”時期のようだ。

+ + + + +

鹿の角が生え変わる時、一歳の鹿は枝無し角、2歳鹿では枝1本、3歳鹿は2本、4歳以上になると3本枝の角が生えてくるのだそうだ。

3本にも枝分かれした角が、鹿の頭からどのようにして生え出てくるのだろうと疑問に思っていたが、その柔らかい角を見て合点がいった。
  • バルーン風船か作業用ゴム手袋のような、枝分かれした型紙状の袋が体内にできる。

  • 古い角が落ちると、その袋が角の付け根リング部から押し出されてくる。

  • 外に出た袋に石膏状の“ツノ粘液”(と呼ぶかどうかは知らない)を流し込んで膨らませる。

  • そのツノ粘液が固まると堅い角の出来上がり。
大雑把に言うと、こんな手順のようだ。柔らかい状態の時の角を「袋角」と呼ぶことも初めて知った。

枯れ枝の茂る林の中や、牧場の鉄条網をかいくぐって移動する鹿達。“ブヨブヨ時期”の角を鉄条網に引っ掛けたら粘液が漏れてしまうのでは、と心配になる 。

昨日の顛末 その(2) フクロウの巣立ち

 「フクロウは昨夜巣立ったようだ。雛の姿を見つけようと、今付近を歩き回っているがまだ見つからない」との電話連絡を受けたのが昨日の午前中。ミツバチの逃去騒ぎの真最中だった。

作業を終えた午後、フクロウの姿を求めて森の中を3時間ほど歩き回ったが発見することが出来ない。フクロウの母親は、巣立ったばかりのまだ飛べない雛をくわえて遠くへ運んでいくこともあるらしい。

夕陽が落ちると森の中は急に暗くなり、視界もあまり利かなくなる。間もなく夜の7時。今回の巣立ちでは、雛の発見は断念せざる得ないようだ。

とすると、今日が今シーズンの巣立ち観察活動の最終日になる。見納めにと巣箱を掛けた樹の下へ行って見た。


. . . と、雛が巣箱から顔を出しているではないか!

「私はまだ巣箱の中ですよ。徒労でしたね、ご苦労さん!」と、軽く頭を下げて挨拶する。「巣立ち」は誤報だったのだ。

暗い巣箱の中を、天井に付けた小さなミーラーでのぞき見るだけの判断なので、時としてこんなハプニングも起きる。

昨日の顛末 その(1) ミツバチの逃去未遂

なんとも取込み易そうな蜂球の形を見せつけられると、つい捕獲魔の血がたぎる。

. . . で、結局強制捕獲することに。

無事、大半を取込み、夕方には取り残し群も巣箱に自主帰宅してほぼ全群が元の鞘に収まった。

かなり逃去意思が強そうなので、これはもう転地療養を試してみるしかないだろう。

この群は、近所に住むログビルダーの棟梁MS氏の庭で預かってもらうことにし、夜9時、急遽の引越を。

MS氏は、以前から自分の養蜂活動を陰に陽にと支えてくれている人。彼の住まいは山荘から直線距離で2.5kmの場所にある。

逃去防止だけを考えると、もっと離れた方が良いのかも知れないが、「手近で観察+逃去防止」を両立させるにはベストの解決策だろう。
MS氏に深謝。

2011/06/06

06/06 逃去速報 . . . そしてフクロウの巣立ち

10:45
6月3日に捕獲したTBH観察巣箱の2次分蜂群の逃去行動。



11:07
蜂球形成。

ただ、Sスクリーン背後にもまだかなりの蜂が居る様子。女王も?

このまま逃去を続行するのか、あるいは、蜂球を解いてもう一度巣箱に戻るか?

一昨日の、Sスクリーンを装着していても逃去した例の真相を知る上でも、このまま蜂球を放っておいて確かめたい気もする。

+ + + + +

今年、逃去行動が例年以上に多いのは、捕獲場所のすぐ近くに取込み巣箱を置いていることが原因の可能性がかなり高い。

先日のブログ読者からのコメント、“取込み巣箱を3〜5キロ離すと、捕獲後の逃去は90%防げます“もそうだし、「新日本ミツバチ」(農文協出版)にも、“取込んだらできるだけ元巣箱から離れた場所へ移すこと”と記されている。

観察が容易なように、あえて同じ敷地内に取込み巣箱をセットしているが、そろそろ考え直した方が良さそうだ。分蜂シーズンも間もなく終わうとしているのに、このまま「+1−1=0」を続けていると、冬越し用の最小限の蜂群数も確保できなくなってしまう。

+ + + + +

. . . と思案にくれている最中に、フクロウ巣箱現場から、「昨夜巣立ったようだ。付近を探しているけど見つからない。応援頼む。」と午前中の巣箱観察者からの緊急電話連絡。

巣立ったばかりの雛は、まだ十分に飛ぶことができない。1〜2日は巣箱近辺の木のどこかに留まり、親鳥が餌を運んで来るのを待っている。その姿を確認して初めて「雛の巣立ち」が確証できるのだ。

フクロウ現場に急行すべきか?逃去群のなり行きを観察すべきか?
人生は何故かくも悩み多きものなのか?

2011/06/05

06/05 分蜂速報

11:45 TBH観察巣箱群の3次分蜂がスタート。
12:11
蜂球形成場所の選定で逡巡し、旋回飛行の滞空時間は20分近くもあった。

やっと決めたのが栗の木の幹、地上高は7.5メートル。幹に長く張り付いた蜂球は採りにくそう。一人だったらまず捕獲断念のケースだが、タイミング良くK氏が姿を見せてくれた。であればと捕獲実行。

12:25
ネット捕獲終了。
取り残し群の小蜂球は徐々に細り捕獲ネットに集まってきている。女王蜂はネット内に取込んだようだ。
後はいつも通りの作業手順。

「+1ー1=0」の繰り返しが続いている。

06/05 逃去速報

昨日、Sスクリーンで阻止したと思っていた巣箱が今朝の巡回ではやけに静かだ。

蓋を開けて見ると50〜60匹弱のオス蜂と、若干の若いメス蜂がいるだけで、いかにも“宴のあと”の寂しい光景。
  • 昨日フクロウ巣箱の観察に熱中している時に、再度逃去を決行したのか?
    (でも、屋根職人は屋根の上で、隣家EZ氏は庭で、ともに夕方遅くまで作業中だったそうだ。何かおきたら気付かないはずはない。実際、午前中の逃去騒動はこの二人が先に気づいて自分に教えてくれたほどだから。)

  • 昨夜、音をたてないように少しづつヒソカに逃亡した?
    (ミツバチの夜逃げと、とういのはあまり聞いたことがない。)
    いくら探しても居残り組に女王蜂の姿も見つからない。
    • スリムな女王で、Sスクリーンの隙間から抜け出せた?
      (これはあり得る。)

    • それとも、もともと女王蜂はいなかったのか?
      (捕獲時の様子では、女王蜂は確かに取込んだ。姿を確認したわけではないが。)
    + + + + +

    この巣箱はTBH(トップ・バー・ハイブ)で初めて「I型」配列を試みたもの。「TBHでは配配列よりも三角バーがの方もっと大事よ」というわずかなメッセージだけを残して彼女達は去って行った。

    2011/06/04

    シジュウカラは発ち、フクロウはいまだ巣立たず

    ミツバチの逃去騒ぎも治まり、屋根の雨漏り工事も今日中に終わりそうなので、午後は思う存分のフクロウ観察。

    16時59分04秒、ついに巣箱へ餌を運ぶ母親の姿をカメラに収めることができた。

    写真上から . . . 餌を持って飛来 . . . 巣箱内の雛に給餌中 . . . 給餌を終えて飛び去る. . . 親鳥の姿。この間37秒。

    この時期、巣箱から顔を出す雛はしばしばし見ることがでいる。しかし、夜の活動の多い親鳥の昼間の給餌姿に出会うのはそう多くはない。
    木陰に身を隠し、マグカップの冷めたコーヒーを飲みながら待った3時間半が報われた瞬間だ。
      + + + + +

      一方、山荘の庭のシジュウカラの巣箱は今朝から全く音無しの構え。親鳥の飛来もなくなった。

      昨日、フクロウ巣箱とミツバチ巣箱の間を行き来している間に、こちらの方は記念撮影もしないで巣立ってしまったようだ。

      06/04 逃去速報

      11:45
      逃去。5月30日LA青群の4次分蜂群。逃去蜂球は巣箱のすぐ近くの誘導板。

      捕獲後、Sスクリーンを装着してあったが、逃去後の給餌では食欲も旺盛で、昨日から時折花粉団子を持ち込む働き蜂の姿もあった。

      そろそろSスクリーンを外しても、と今朝巣箱蓋を開けて点検すると、小さな巣板を3枚作ってはいる。
      ただ、まだなんとなく群全体の雰囲気に落ち着きがない。もうしばらく様子を見ようとSスクリーンはそのままに、と決めた直後の出来事。

      今日は、ベランダのガラス天井の雨漏り修理の職人さんが入っている。職人さんの手も逃去騒ぎでついつい滞り勝ちで作業は思い通りに捗らなさそうだ。

      12:25
      一時はかなり大きくなっていた誘導板の蜂球も、Sスクリーンで阻止された女王蜂が参加してこないので徐々に細り今ではほぼ消えた。
      まだ、空中を旋回している蜂も多いが、まもなく彼女達も巣箱へ帰って来るだろう。

      + + + + +

      これでガラス天井工事も予定どおり今日中には完工し、午後には、結局昨日巣立ちをしなかったフクロウ巣箱の観察に行けそうだ。

      2011/06/03

      06/03 分蜂速報

      第2番目巣箱のフクロウの巣立ちが間もないのでは、と朝から現場に出向いていたら、留守番を依頼しておいた隣家EZ氏から“ミツバチ巣箱が騒々しいよ”との電話連絡で急遽帰宅。


      11:17
      様子を見ているとほどなくTBH観察巣箱群の2次分蜂がスタート。(“門前の小僧 ” EZ氏もかなりミツバチ観察眼が上がってきた。)

      5月20日の一次分蜂では巣箱直前のベランダ手摺に蜂球を作ろうとしたが形成途中でその半分が落下。その後カラマツの高所へ蜂球が移り捕獲を失敗したケースだ。
      手摺に人工杉皮を巻いて蜂球落下防止を図ったが、それを無視して今回は巣箱下に蜂球を作ろうとしている。

      (その後5月25日に分蜂気配を示したが、その時はこちらの手が回らないのでSスクリーンで阻止し分蜂を延期してもらった群。)

      11:20
      . . . と思っていたら、蜂球形成場所が庭のコナラに設置してある誘導板に移った様子。地上2.5m。
      ここであれば楽勝。EZ氏も控えている。

      12:08
      捕獲作業開始。
      蜂球が縦に長く、誘導板を動かすと蜂球が落下しそうな状態。で、巣箱への直接取込みは諦め一度捕獲ネットに収め、その後巣箱に移す作戦を採用。

      12:10
      捕獲作業終了。
      捕獲ネットの周りに取り残し群がまとわりついてくる。女王蜂は確実にゲットしたようだ。
      後は、巣箱底面にネットをつなぎ蜂が巣箱内へ移るのを待つだけにしてそしてフクロウ巣箱へトンボ帰り。


      フクロウ巣箱の設置場所は山荘から車で15分ほどの距離。
      今朝の観察では、巣箱口から顔を出した雛は、今日にも巣立ちをしたそうな顔付きだった。(写真は今朝10時03分撮影)

      久しぶりの天気ということで皆それぞれが忙しい。

      2011/06/01

      (続) シジュウカラの子育て


      シジュウカラの親鳥が雛に与えているのは圧倒的に毛虫が多く、ミツバチをくわえている姿は5月24日以来見かけない。と言うことで、「ミツバチを守るか、シジュウカラの子育てをとるか?」という悩みは自然解決した。

      親鳥が巣箱から運び出す雛の糞が随分大きくなり、巣箱から聞こえる雛の鳴き声もしっかりしてきた。明日か明後日には巣立ちそうな気配だ。

      レンゲツツジが満開

      霧の中でレンゲツツジとヤマツツジが満開。

      レンゲツツジは、晴れた日の太陽の下より、霧や雨の中の方が良く似合う。

      ( . . . と毎年同じような光景の写真を撮って、毎年同じことを言っているような気がする。)