2011/02/16

時騒ぎ


東京避寒組の時騒ぎが日に日に激しくなっている。東京避寒組では12-1-2月と毎月“時騒ぎ”の飛翔があり、八ヶ岳越冬組でも、正月休みの後に山荘に帰った1月21日、寒中見舞いに訪れた2月初めと “時騒ぎらしい”飛翔が見られた。

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これまでなんとなく使ってきた“時騒ぎ”という言葉、正確にはどのよう行動生態を指し、ミツバチは何の目的でそのような行動をとるのだろうか?

手元の書籍やネット情報によれば;
ミツバチが巣箱方向へ頭を向けながら、一斉に巣箱周辺を飛び回る様。天気の良い日の午後の1~3時頃に数十分間に渡って見られる光景
. . . を“時騒ぎ”と称し、
新しく羽化した働き蜂が内勤期間を終えて、初めて巣外で仕事をしようとする時に巣の位置を覚えるために取る行動 
あるいは、 “冬期の時騒ぎは脱糞のため”
. . .  とあり、さらには、
飛び回ってる蜂が全部同じ日に産まれたもので、飛んでる蜂の数が1日で産まれたミツバチの数
 . . . と書かれたネット情報もある。

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例年以上に活発なこの冬の“時騒ぎ”を眺めているといくつか疑問が湧いて来る。
  • 巣箱の位置を脳にインプットするための定位飛翔。巣箱を移動した時などは必ず見られる行動だが、その時ミツバチは巣箱前面だけでなく、側面や背後でも回って飛び回る。しかしこの冬に見かける光景は、巣箱前面で翔ぶだけで側面や背後へ回る姿は見られない。

  • 飛翔している位置は分封時ほどの高さの上空ではないが、定位飛翔の時よりは巣箱から距離のある中空で旋回飛行をしている。

  • 定位飛翔は、巣箱を移動した翌日の朝から盛んに見られるが、この冬の飛翔は決まって午後1時半〜2時頃の間。
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“時騒ぎ”飛翔は、分封や逃去時の蜂球形成直前に行う旋回飛翔や、いわゆる“定位飛翔(定位飛行)”とは違う目的を持ったミツバチの行動ではないのだろうか?
  • 飛翔しているのは“全部同じ日に産まれたもの”との説はやや疑問を感じる。冬季間の一日でこれだけの数の産卵があるとは思えないし、飛翔したミツバチがその後外仕事に出かけている様子はない。
  • 定位飛翔とすれば、をある一定の時刻、それもごく短時間に限って“一斉に”行うのは何故だろう?
    “脱糞のため”としても同様の疑問は残る。
情報を探して、海外の研究論文やネット情報に目を通しているが、日本語の“時騒ぎ”に該当しそうな語句や記述はまだ見つからない。